ようやくわかった理由
「うわあぁぁぁ!!」夫は大絶叫。そのまま玄関の外へ逃げ出しそうな勢いで走って行きます。あまりに大きなリアクションに、私も息子もびっくり。息子が「パパ、これ本物じゃないよ? カブトムシのミニカーだよ?」と言うと、夫は「あぁ、なんだ……」と、その場にしゃがみ込んでしまいました。
そこで初めて、夫は虫が大の苦手だったことを知りました。本人いわく、「虫が苦手って、男としてなんかかっこ悪い気がして……」とのこと。そう聞いて、私は今までのことに納得しました。
虫捕りへ行っても、虫かごを持っていたのはいつも私。夫は捕まえることも触ることもせず、『応援係』や『見守り係』に徹していたのです。
息子のひと言で大笑い
すると、そのやり取りを聞いていた息子が「虫より、パパのダッシュのほうが速そうだね!」とポツリ。そのひと言に、夫は恥ずかしそうにしています。今まで虫捕りに付き合ってくれていた裏には、そんな事情があったのかと思うとおかしくて、家族みんなで大笑いしました。
夫は今でも虫が苦手なままですが、息子の虫捕りには変わらず付き合ってくれています。少し離れた場所から応援する姿を見るたびに、あの日の出来事を思い出してしまうのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
