突然倒れた男性
しばらくすると、先ほど声をかけてきた後ろの男性が、突然その場にしゃがみ込みました。顔色はみるみる青ざめ、額には大粒の汗がにじんでいます。周囲から「大丈夫ですか?」という声が上がり、列にも緊張が走りました。
店員さんが来るまでの間、私はすぐに男性へ日傘を差しかけ、持っていたハンディファンで風を送りました。他にもタオルを差し出す人や、水を買ってきてくれた人もいました。店員さんと周囲の人が協力して対応すると、男性は少しずつ落ち着きを取り戻していったのです。
謝罪と前言撤回
男性は熱中症だったようで、しばらく店内で休むと食事もとれるくらいに回復していました。私も食事を終え、帰る支度をしていると「……さっきはすみませんでした」と男性が声をかけてきたのです。
私が「いえ。お互い熱中症には気を付けましょう」と返すと、男性は少し照れくさそうに「日傘って、大事なんですね」とつぶやきました。
「日傘は女性が使うもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、厳しい暑さが続く今、自分の身を守るための熱中症対策は誰にとっても大切です。一人でも多くの人が暑さ対策を見直すきっかけになればと思った出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。
