夫のひと言で変わった空気
私はその場では何も言わずにいました。店員さんも気づいていない様子で、そのまま夫に説明を続けます。すると、夫が苦笑いしながら口を開きました。「いえいえ、その話は妻にしていただいた方が早いですよ」「僕なんかより、ずっと詳しいので……」
店員さんは「え? そうなんですか?」と驚いた様子です。夫は続けて、「妻はパソコン関係の仕事なんです。家のネット環境のことも全部任せていますし……」と説明してくれました。その瞬間、店員さんは「あっ……それは失礼しました!」と慌てて頭を下げました。
それからは私に直接説明してくれるようになり、こちらも質問しやすくなって会話はとてもスムーズに。無事に納得のいくパソコンを購入することができました。
思い込みは誰にでもある
帰る頃には、店員さんもすっかり恐縮していて、夫婦で思わず苦笑い。パソコンや機械の話になると、「男性の方が詳しい」という先入観を持たれる場面は、まだ少なくないのかもしれません。夫が自然にフォローしてくれたおかげで、その場の空気が変わり、私の話をきちんと聞いてもらえるようになりました。
人はつい見た目や思い込みで判断してしまうことがあります。それだけに、あの日は夫のひと言がとても心強く感じられた出来事として、今では夫婦で笑い話になっています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
