今回は、近所の真理子さん(仮名)から聞いた話をご紹介します。新しいマンションに引っ越したばかりの頃、同じ階に住む女性はとても親切で、真理子さんも心強く感じていたそうです。しかしある出来事をきっかけに、その印象は少しずつ変わっていって……
ゴミ置き場で見た光景
ある朝、少し早めにゴミを出しに行くと、ゴミ置き場の前に隣人が立っていました。そして私のゴミ袋を開け、中を見ていたのです。思わず足が止まりました。隣人も私に気付きましたが、慌てる様子はありません。むしろ平然とした表情でこう言いました「分別を確認してあげてたのよ」
私は言葉を失いました。あのとき知っていた家族の情報も、全部ここからだったのだと気付いたのです。
本当に怖かったのは
その日から私は、名前や学校名が分かる紙類を細かく破って捨てるようになりました。さらに管理会社へ相談すると、同じような苦情が他の住人からも出ていたことが判明。隣人は誰かを怒鳴るわけでも、悪口を言うわけでもありません。表面上は、むしろ親切な人でした。だからこそ怖かったのです。
後日、管理会社から注意を受けたそうですが、本人は最後まで「みんなのためにやっていた」と主張していたと聞きました。
今でも私は思います。幽霊より怖かったのは、悪気がないと信じている人でした。あのとき向けられた笑顔を思い出すたびに、今でも少し背筋が寒くなります。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。
