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知人の葵さん(仮名)は、毎年父の日にプレゼントを贈っていました。しかし、もらっても表情を変えない父。本当に喜んでいるのか分からないまま贈り続けていたある年、父が突然この世を去ってしまいます。

父の日の贈り物

父の日になると、私は毎年何かしらのプレゼントを選び、父へ渡していました。財布や湯のみ、小物など高価な物ではありませんが、その年ごとに父の顔を思い浮かべながら選ぶのがちょっとした楽しみだったのです。

ところが父は、受け取るたびに「こんなのに金を使わなくていい」「もったいない」と言うばかり。普段から口数の少ない父ではありますが、プレゼントをもらっても表情をほとんど変えません。「せっかく選んだのに……」と、少し寂しくなることもありました。

母だけが知る父の本心

結婚して実家を離れてからは、直接渡す機会が減ったものの、父の日が近づくたびにプレゼントだけは欠かさず送っていました。ところが父から連絡が来ることはほとんどなく、届いたかどうかも母づてに聞くことが多かったのです。

電話口の母は「ああ見えて喜んでるのよ」といつも笑っていました。本当にうれしいのなら、父から一言くらい連絡があってもいいのに……そう思いながらも、父の日になると自然と贈り物を探している自分がいました。

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