今回は、友人・真紀さん(仮名)から聞いた少し不思議な体験談をご紹介します。亡くなったお父様が生前に残した何気ない言葉。それが数年後、誰もいない実家で思いがけない形でよみがえったそうです。
父が遺した言葉
父は生前、よく冗談まじりにこう言っていました。「俺が先にいなくなっても、困った時はちゃんと知らせるからな」家族は笑って聞き流していましたが、不思議と私はその言葉だけは覚えていました。
父が亡くなって数年後、実家を売却する話が持ち上がり、私は一人で家の片付けをすることになりました。誰も住まなくなった実家は静まり返っていて、昼間なのにどこか薄暗く感じられたのです。
誰もいないはずなのに
押し入れの整理をしていた時でした。廊下の方から小さく、「真紀……」と呼ばれた気がしたのです。
私は驚いて振り返りました。けれど、そこには誰もいません。気のせいだと思おうとしましたが、なぜか胸騒ぎだけは消えませんでした。その後も作業を続けましたが、何となく落ち着かず、誰かに見守られているような感覚が続いていました。
止まったはずの時計
夕方になり、帰ろうとしたその時です。突然、父が使っていた古い目覚まし時計が鳴り始めました。その時計は何年も前に壊れており、電池も入っていません。私は思わず時計を見ました。すると針は、父が亡くなった時刻を指していたのです。
怖いというよりも、「何か伝えたいことがあるのかもしれない」と感じました。私はもう一度押し入れの奥を調べることにしました。
