梅雨が近づくたびに起こる不調
私は体質なのか、梅雨の時期が近づくと毎年のように体調を崩していました。特に辛いのがめまい。 天気が崩れる前になると、船に揺られているような感覚に襲われるのです。
さらに、この時期は頭痛も毎日のように続き、体もずっとだるい状態。 薬を飲んでも少し楽になる程度で、ひどい日はソファで横になるしかありませんでした。しかし、そんな私を見ても、夫はあまり理解してくれません。
「いいな〜、ゆっくりできて」夫はいつも嫌味っぽくそう言ってきます。私はそう言われるたびに「好きで寝込んでいるわけじゃないのに……」と悲しくなっていました。それも毎回トゲのある言い方をしてくるので、地味にストレスが積み重なっていました。
“一番危ない日”に起きたこと
ある日、生暖かい風が強く吹き、今にも雨が降り出しそうな空模様の日がありました。私にとって、こういう天気の日が一番危険です。その日は朝から頭痛がひどく、脳みそがふわふわ揺れるような感覚がありました。「これはまずい」と思い、すぐに薬を飲みソファで横になっていました。
そこへ夫がやってきて「もうこんな時間なのに、ご飯作らなくていいの〜?」と、いつものように嫌味っぽい言い方をしてきたのです。流石に腹が立った私は言い返すために起き上がろうとしました。その瞬間……突然、視界が高速でぐるぐる回り始めたのです。
想像以上だった回転性めまい
私はその場で激しい回転性のめまいを起こしました。回転は止まらず、起き上がることもできません。気持ち悪さに耐えきれず、そのまま吐き戻してしまいました。
すると夫は慌てて駆け寄ってきましたが、第一声はまさかの……「なんだよ〜! ソファに吐くのはやめろよ! 洗うの大変だろうが!」でした。
しかし次の瞬間、「ヒッ」と悲鳴を上げる夫。私の黒目が焦点を失い、忙しなく揺れていたからでした。回転性のめまいでは、目が勝手に動いてしまうことがあるそうです。目を開けると余計に回転を強く感じてしまうため、すぐに目を閉じました。そして必死に「目、回ってる……吐く……桶持ってきて……」と伝えました。
夫は大急ぎで桶を持ってきて、見えはしなかったのですが、気配でオロオロしていることがわかりました。
ようやく伝わった本当のツラさ
数時間後、激しい回転性のめまいはなんとか落ち着きました。ですが、その後も1週間ほどは脳みそが揺れているようなめまいが続きました。その間珍しく夫はかなり心配してくれて、季節性の不調が「ただ横になっているだけではない」ということを、ようやく理解したようでした。
あれ以降夫は、私がソファで横になっていても嫌味を言わなくなり、近くにそっと桶をセットするようになったのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:タカダ ミオ
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

