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これは、知人の玲奈さん(仮名)から聞いた話です。料理好きな夫に対し「男がご飯を作るなんて」と否定的だった義父。ところがある日の朝食をきっかけに、義父の態度に思わぬ変化が見え始めたのです。

休日のキッチン風景

私の夫は、一人暮らしをきっかけに料理が好きになり、結婚してからも休日になるとよく手料理を振る舞ってくれます。5歳になる息子も「今日はなに作るの?」と、よく隣でうれしそうにのぞき込んでいました。

家では洗濯や掃除も自然に分担していて、私にとって夫が家事をする姿は当たり前の光景です。一方で、義実家には昔ながらのルールがあって、私は少し困っていました。

義実家の当たり前

義実家へ行くと、キッチンには自然と私と義母が立つ雰囲気になっていました。夫は普段と同じように「俺もやるよ」と食器を下げようとするのですが、そのたびに義父が「お前は座っとけ」「台所は女の仕事だろ」と止めるのです。

義父だけは昔から「男が台所に立つなんて情けない」という考えが強く、夫が料理の話をするたびに、あからさまに顔をしかめ、義母も悪気があるわけではなく「男の人は座ってて〜」「大丈夫だよ、私がするから」と、笑いながら夫を座らせていました。

義実家ではそれが当たり前になっていて、夫もどこか気まずそうに「じゃあ、お願い」と手を引っ込めるしかないようでした。

朝食で飛び出した一言

ある日、義実家に泊まった翌朝のことです。珍しく夫と息子が早く起きてきて、まだ私と義母が朝食の準備をしている途中でした。夫が「パパが卵焼き作っちゃおうかなぁ」と声をかけ、息子も「やったー!」とうれしそうに椅子へ座ったのです。

その様子を見ていた義父は、新聞を広げたまま「男がご飯を作るなんて」といつものように顔をしかめていました。すると息子がすぐに「えー? パパのご飯おいしいのに!」「パパの卵焼き世界一!」と笑顔で返したのです。

さらに「じいじは卵焼き作れる?」「じいじのご飯食べたいなぁ」と続けると、義父は新聞を持ったまま黙り込んでしまいました。

義父の小さなお願い

朝食を終えたあと、私は義母と一緒に片付けをしていました。食器を拭き終えてリビングへ戻ろうとした時、小さな声で話す義父と夫の会話が聞こえてきました。

「……今度、その卵焼き教えてくれ」どこか気まずそうに視線をそらす義父に、夫は少し驚いたような表情を浮かべながらも「いいよ、今度一緒に作ろうか」と笑って返していました。

孫からの素直な一言が、思った以上に効いたようです。隣にいた義母は、少し照れたように笑い、私もつられて笑ってしまいました。義父の手作り卵焼きが食べられる日が、待ち遠しくなりました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

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