微熱で寝込む夫
私の夫は、37度台の熱が出るたびに「はあ、風邪ひいた」「もう何もできない」と言って、リビングのソファや寝室のベッドに横になり、いつも“きついアピール”をしてきます。
我が家は共働きなので家事も分担しているのですが、そんな時は「きついからお願い」と言って、洗い物も子どもの相手もすべて私任せ。もちろん本当に体調が悪い日もあるのだと思います。でも、横になったままスマホを触る夫を見ながら、私はいつもなんとも言えない気持ちになっていました。
母親は休めない現実
一方で、私は38度近い熱があっても、最低限の家事と育児を休むわけにはいきませんでした。4歳の息子は、私にべったりで「ママがいい」と言って離れてくれません。
私が熱を測っている横で、息子は抱っこを求め、洗濯機の終了音も鳴ります。夫は「大丈夫?」とは声をかけてくれるものの、そのままソファに座ったまま。結局熱がある日も、息子を寝かしつけるまで横になることはできませんでした。
診察室で息子が暴露
そんなある日、息子が夜中に突然嘔吐し、翌朝すぐに小児科を受診することに。付き添いで来ていた夫は、額に手を当てながら「俺までうつったかも……」と、またいつもの“きついアピール”を始めました。
診察室で先生が息子の熱を測ると、体温は37度1分。「良かった、熱はないね」と優しく声をかけてくれました。その瞬間、息子が「37度1分はお熱だよ。だってパパいつも、きついきついって家で寝てるもん」と真顔で言い出したのです。
診察室は一瞬静かになったあと、看護師さんたちが思わず吹き出し、夫は「やだな、そんなの冗談だよ」と顔を赤くして気まずそうに目を逸らしていました。
止まらない息子の確認
この出来事があってから、夫は37度台の熱で「もう何もできない」と寝込むことはほとんどなくなりました。以前のようにソファへ直行することも減り「ちょっと疲れたかも」と言いながら、自分で薬を飲んで早めに寝るようになったのです。
たまに夫が「今日は本当にきつい……」と言うと、息子はすぐ「パパ今何度?」と体温計を探し始めます。そのたびに夫は苦笑いしながら「大丈夫、大丈夫」とごまかしていて、私は横で笑いを我慢しながら、そのやり取りを見ています。あの診察室での一言が、どんな言葉よりも夫に届いていたのだと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

