悪口ばかりの義母
義母は、近所の人の服装を見ては「あの歳であれは派手すぎる」、親戚の話になれば「昔から気が強いのよね」と笑いながら話します。本人に悪気はないのかもしれません。でも、その軽い冗談のような悪口を聞くたび、私は何とも言えない居心地の悪さを感じていました。
特に嫌だったのが、4歳の息子の前でも平気でそういう話をすることです。まだ小さいこの子には、あまり人の悪口を聞かせたくないのにな……といつも思っていました。
「可愛いばあば」と「怖いばあば」
一方、実母は真逆のタイプでした。息子がジュースをこぼしても「大丈夫よ」と笑って拭いてくれるし、人の悪口を言っているのを見たことがありません。
そんな対照的な祖母と過ごしているうちに、息子はいつの頃からか、実母を「可愛いばあば」、義母を「怖いばあば」と呼ぶようになったのです。
最初に聞いた時は思わず耳を疑いましたが、息子は特にふざける様子もなく、ごく自然にそう呼んでいました。私は思わず吹き出しそうになりましたが、何とかこらえました。
息子が放った一言
ある日のことです。義母がまたテレビを見ながら、芸能人に対して「あら〜この人、太ったわねぇ」と笑っていました。すると隣でお菓子を食べていた息子が、ぽつりと呟いたのです。「怖いばあば、また悪口言ってるね」
その瞬間、リビングがシーン……となりました。義母は固まり、夫はお茶を吹きそうになりながら必死に耐えていました。
さらに息子は「可愛いばあばはね、イヤなこと言わないよ?」と、にこにこしながら一言。義母は顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。
子どもが見ている“大人の本質”
それ以来、義母が人前で露骨な悪口を言う場面は、以前よりかなり減りました。テレビを見ながら何か言いかけても、途中で言葉を飲み込むようなことが増えた気がします。
子どもって、本当に大人をよく見ています。言葉ではなく、その人の日頃のあり方をちゃんと見ているのだと思います。今でも息子は、私の実母に会うと、嬉しそうに「可愛いばあば!」と抱きつきます。いつか義母との間にも、そんなやりとりが生まれたらいいなと思いながら、見守っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

