「今行く」が永遠に来ない問題
夫は家事育児をまったくしないタイプではありません。ただ、食事のタイミングだけは本当にマイペース。
夕飯が完成して「できたよー!」と呼んでも、スマホやテレビに夢中。5分後にもう一度声をかけると、「今行くー!」と返事だけはいい。でも来ない。さらに「冷めるよー!」と言っても来ない。結局、子どもたちと先に食べ始める頃に、夫がのんびり登場するのが恒例になっていました。
温め直す手間とモヤモヤ
席につく頃には料理は少し冷めています。すると「レンジで温めていい?」となり、結局温め直し。もちろん温めますが、こちらとしては、ぬるくしたくてしているわけじゃないのです。できれば出来たてを食べてほしいし、一番おいしい状態で出したい。だから毎回地味にショックを受けていました。
怒るほどではないけれど、「今行く」が行く行く詐欺になるたびにモヤっとしていたのです。
夫が“待つ側”になった日
ある休日、珍しく夫が「今日は俺が作る」と夕飯担当に。時間をかけて完成した料理を前に、「できたぞー! 早く食べよう!」とかなり嬉しそうでした。
ところが子どもたちは遊びに夢中。「あとでー!」「今ブロック作ってる!」と誰も来ません。最初は笑っていた夫も、だんだん焦り始め、「せっかく作ったのに冷めるだろ!」とお怒りモード。
温かいうちに食べてほしい
その様子を見ながら、私は思わず「あったかいうちに食べてもらえるほうが嬉しいよね」とポツリ。すると夫は「あ……」という顔をしました。たぶんあの瞬間、初めて“待つ側”の気持ちになり、理解したのだと思います。
それ以来、夫は以前より少し早めに食卓へ来るように。最近は夫が早めに席に着くたびに、「学習したな……」と少しニヤニヤしています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

