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筆者の息子が2歳の頃、スーパーでイヤイヤが始まり、売り場の前から動けなくなってしまいました。そんなとき、息子に話しかけてくれたおばあさんの一言が起点となり、息子の優しさに触れることができた、ほっこりするエピソードです。

イヤイヤ期の息子と迷惑をかけたくない母

2歳の息子はイヤイヤ期の真っ只中でした。いつもはニコニコと穏やかな子でしたが、気に食わないことがあると、泣いてどこででも寝転んで動かなくなります。

私は、他の人に迷惑をかけないようにいつも気を遣い、特にスーパーでは静かに買い物をするように心がけていました。

買い物の途中で息子が豹変

時間に余裕を持ってスーパーに出かけたある日、息子の機嫌も良かったので、「これはトマトだね」「こっちはカボチャ」などと食材を指さしながらいつもよりゆっくり買い物をしていました。しかし、あるコーナーで息子の顔付きが突然変わり、「これ買って〜」と言い始めたのです。

息子が買ってとせがんだものは、まだ食べられないキムチでした。「買っても良いけど、誰が食べるの?」と言うと、風船が割れたように「いやーー!」と泣き、寝転んで怒り始めたのです。

騒ぐ息子に近づくおばあさん

泣いている息子に念を押すように、「買ってもいいけど、あなたは食べられないよ? 辛いからね!」と必死に言っても「買って。買って。いやー!」と息子は泣き続け、その場から動こうとしません。

あまりに騒ぐので、仕方なくキムチをカゴに入れ、息子を抱えようとした時、おばあさんが近づいてきました。「うるさい」と怒られるのかと身構えると、息子に向かってにっこり笑いながら「ぼく、キムチ食べるの?」と聞いてきたのです。

息子が泣いてキムチを欲しがった訳

それまで怒っていた息子は、急に話しかけられたのでビックリしていましたが、小さな声で、「父ちゃん」と答えました。「あら! お父さんに買ってあげるの? 優しいね〜えらいね〜喜ぶよ〜」と、おばあさんはとっても優しい顔で言うと、私には何も言わずに、その場を立ち去りました。

人に迷惑をかけないようにすることで必死だった私は、なぜ息子がそんなにキムチを欲しがったのか聞く余裕もありませんでした。まさか夫のためだったとは……わかってもらえたことで息子も落ち着き、無事キムチも買って、家に帰ることができました。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2021年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:ふくまる よしまる
保育士を経て、2児の育児をしながらライター業をスタート。これまでの職業経験から育児のテーマを得意とする。特に保育士時代の出来事や、視覚障害がある子どもの育児をする自身の経験、そして同世代のママたちの声をもとに、女性を元気づけるための発信を精力的におこなう。

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