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手袋や靴下など、二つで一組のものは、なぜか片方だけ消えてしまうことが少なくありません。誰しも一度は経験したことがあるでしょう。けれども、着脱機会の少ない靴も、片方だけなくなることはあるのでしょうか……今回は、私のお客様の実体験をご紹介します。

にぎやかな遠足

数年前、息子が幼稚園に通っていた頃のこと。私は実家の11人乗りの大きな車を借りて、幼稚園仲間と動物園や遊園地へ出かけていました。4~5組の親子が乗れるため、まるで遠足のような賑やかさ。子どもたちの笑顔に囲まれ、私自身も楽しんでいました。

忘れ物

ある日、遠足を終えて皆を送り届けた後、車を掃除していると片方の靴が落ちていました。毎回水筒や帽子の忘れ物があるので今回も誰かのものだろうとLINEで確認しましたが、誰の靴でもない。

その靴のサイズは22センチ、しかし息子たちはまだ14~18センチ。両親に尋ねても「心当たりはない」と首をかしげるばかり。靴の持ち主は分からぬまま、時は流れました。

偶然の失くしもの

数年後、息子が小学校高学年になったある日の事。息子が上履きで帰宅しました。外履きは? と尋ねると片方だけなくなったと答える息子。いじめかと心配して担任に確認しましたが心当たりはないとのことで、息子自身も学校生活に悩みは何もないと言います。

仕方なく靴を買いに行くと偶然、幼馴染親子に遭遇しました。その幼馴染も片方の靴をなくしたと言うのです。驚きながらも再会を喜び、ふと息子たちが選んだ靴を見ると、二人とも同じメーカー・同じ色・同じサイズのスニーカー。まるで示し合わせたような一致でした。

スニーカーの解けない謎

その時、幼馴染が「前に〇〇(私)ちゃんの大きな車から片方のスニーカーが出てきたよね」と思い出を口にしました。

私は忘れていた出来事を急に思い出し、電話で父にあの靴について確認すると「メーカーは△△、色はブルー、サイズは22。しかも日付は今日と同じ」と記録を読み上げてくれました。父はマンションの管理人を勤めており、身の回りの遺失物を全てノートに書き留めていて、記録は詳細でした。

6年前の今日、車にあった片方の靴と、息子たちがなくした靴は完全に一致。偶然にしては出来すぎていて、私は背筋がぞくりとしました。

それから特に何か不吉なことが起こることは一切ありません。息子も幼馴染たちも元気に暮らしています。それでもふと、あの靴と同じものを目にすると今でもぞくっとしてしまうのです。

もしかしたら片方の靴は時空のゆがみに吸い込まれ、別の場所へ移動してしまったのかもしれません。靴だけならまだしも、もしそのゆがみに体ごと吸い込まれたら、一体どこへ行ってしまうのでしょうか……そんなことを考えると、またぞくっとしてしまうのです。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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