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銭湯や温泉の大きな湯舟は、家では感じられない解放感やちょっとした旅感覚を味わえる素敵な場所です。癒しを求めたある休日の夕方のこと。家族で立ち寄った温泉で起きた、不思議なできごととは……今回は、私のお客様の実体験をご紹介します。

日帰り温泉

私は先日、夫と3歳の息子、8歳の娘とともに日帰り温泉へ出かけました。男湯と女湯に分かれ、1時間後にフロントで再会する約束。ママっ子の息子は女湯を望んだものの、泣く泣く夫と男湯へ。

温泉は私達家族しかおらず、貸し切り状態。子供たちだけでなく大人の私もテンションが上がりました。

壁を隔てて

娘と湯舟に浸かっていると「ママー聞こえるー?」と男湯から響く息子の声。私は「聞こえるよー。気持ちいいねー」と応え、しばし大声で会話を楽しみました。貸し切りだからこそ許された親子のやりとりに気持ちもほぐれていきます。

しかし「ママーおしり洗ったー?」と息子が叫んだ瞬間、私は慌てて「恥ずかしいからそんなこと言わないの!」と制止。すると、いつの間にか入ってきた客から「くすくす」と笑い声が聞こえ、私は息子との会話を打ち切りました。

大量の通知

温泉を満喫し、脱衣所に戻りスマホを確認すると、夫から大量の通知。内容を確認すると「〇〇(息子)、鼻血」「やばい、止まらない」「入浴断念、フロントにいます」など。

私は驚きました。さっきまで元気に会話していたはずなのに? と不思議に思い、通知の時間を確認すると着信時間は入浴直後。つまり息子は浴場に入っていないということになります。

さらに思い出したのは、3歳の息子はまだ舌っ足らずで普段「おちり」と発音するのに、その時は「おしり」と言っていたこと。誰と話していたのか、背筋が冷たくなりました。

謎の声

ドライヤー中の娘の手を半ば強引に引き、急いでフロントへ向かう途中、再び「くすくす」という笑い声が耳元で響きます。恐怖で振り向くことはできず、全力で走り抜け、ようやくフロントに到着。
鼻を押さえた息子と心配そうな夫の姿が目に飛び込んできました。

夫に尋ねると「脱衣所で鼻血が出たから浴場には入っていない」とのこと。では、私が温泉で交わした声の主は一体誰だったのか。今もなお、その答えは見つからず、謎のまま残されています。

私はその温泉のことをネットで調べましたが、怖い情報は一つも見つけることができませんでした。心霊スポットでなくても、不思議なことは起こりうるのだと、改めて気づかされたエピソードです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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