元交際相手が、ストーカーの犯人に一転する事件も、最近少なくありません。ストーカー被害から身を守るには、どうすればよいのでしょうか……今回は私の友人の、恐怖のエピソードをご紹介します。
引越しても
数年前、私は元カレのストーカー行為に悩まされていました。引っ越しをしても職場を変えても、彼は執念深く私の居場所を突き止めてしまうのです。
つきまといや手紙などの証拠を集め、警察や弁護士に相談し、接近禁止命令を出してもらいましたが、それでも心の安らぎは簡単には戻らず、いつもどこかで彼の影におびえていたのです。
新しい生活
当時私は携帯ショップに勤務していたのですが、どこの店舗に移動させてもらっても必ずやってくる彼。私は仕事を辞め、実家や自分に縁のない県へ移り住み、全く違う職種に就きました。
ようやく平穏な日々を取り戻したと思った矢先。ある夜中に1階エントランスではなく、家のドアのインターホンが鳴ったのです。私はセキュリティのしっかりした物件を選んで住んでいたので、「住民が間違えて押したのかな? そうに違いない」と言い聞かせながらインターホンの画面を確認。
画面に映る人物は帽子を深くかぶっており顔が分かりません。私が無言でいると、その帽子の人物は、次第にドアを激しく叩き始めます。私は「酔っ払いが間違えているだけ」と自分に言い聞かせ続けながらも、恐怖で震えていました。
「かなこ!」
ドアを叩く音は激しくなる一方。通報しようとした瞬間にスマホを落としてしまい、大きな音が響きました。帽子の人物はそれに気づき、「いるんだろ!」と怒鳴り始め、ついには「おい、かなこ!」と私の名前を呼んだのです。
恐怖は頂点に達し、震える手で必死に110番通報しました。ほどなくして警察が到着し、その人物は現行犯逮捕されました。
恐怖の偶然
後日、警察署で犯人の顔を確認すると、それは元カレではなく全くの別人。年齢も若く、整形では説明できないほど違う顔でした。
取り調べの結果、その男は別の女性にストーカー行為をしており、その女性の名前も「かなこ」。偶然にも私の隣の部屋に住んでいたもう一人の「かなこ」さんを狙っての犯行だったのです。
その後は、元カレからの被害はなく、現在私は結婚し子どもにも恵まれ、幸せに暮らしています。平穏な毎日を過ごしていますが、今でもふと、あの夜のことを思い出すと震えてしまうのです。
ストーカーはどこで狙っているか分かりません。過度に疑心暗鬼になる必要はありませんが、セキュリティ対策を講じたり、SNSでむやみに個人情報を公開しないなど、自衛の姿勢を持つことが大切だと考えるようになった出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井 ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

