母の日の準備はいつも私
私は結婚して以来、『母の日』には自分の母と義母、両方にプレゼントを贈るようにしています。ただ、それに関して夫は完全にノータッチ。
「お義母さんのプレゼントどうする?」と聞いてみても、「綾美が決めていいよ〜!」「うちの分も一緒によろしく!」と、毎回こんな調子なのです。
私はもともとプレゼントを考えるのが好きなので、(まぁいいか……)と思いながら毎年用意していました。
義母へプレゼントを届けた日
そんなある年の母の日。ちょうど義実家の近くに用事があり、今回は直接プレゼントを渡しに行くことになりました。玄関先で手渡すと、義母はぱっと笑顔になり、「毎年ありがとうね〜!」と喜んでくれます。
そのあと、にこやかにこう続けました。「綾美ちゃんのおかげで、やっと母の日って感じがしてるのよ〜」
義母の話と夫の反応
話を聞くと、結婚前、夫は母の日に何かしたことが一度もなかったそうなのです。義母は笑いながら、「保育園のときに描いてくれた似顔絵が最後かな〜」「もうずっと、そういうのはないものだと思ってたのよ!(笑)」と話しました。
私たちの会話を隣で聞いていた夫は、「え、そうだっけ……?」と少し気まずそうに苦笑い。「そうよ!」と力強く頷く義母に、夫は「来年は俺が選ぶよ……」とポツリと言いました。すると義母は「あら、期待せずに待っとくわ!」と笑い飛ばします。
少しずつ変わったこと
親子のやり取りを見て、私は思わず笑ってしまいました。それまで当たり前のように私が準備していた母の日でしたが、夫の中で何か思うところがあったのかもしれません。
それ以来、母の日が近づくと「今年どうする?」と夫の方から聞いてくるようになり、少しずつではありますが、自分で選ぼうとする様子も見られるようになりました。
やはり義母にとっても、実の息子からのプレゼントは嬉しいはずです。何もしてこなかった夫が動き出したきっかけとして、あのときの会話はとても印象に残っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

