静けさを壊す生活音
私は半年前に息子を出産。初めての育児で分からないことばかりの毎日。特に息子はとても敏感なタイプで、やっと寝かしつけてもベッドに置いた瞬間に起きてしまうことも多く、気が休まる時間はほとんどありませんでした。
そんな中、夫の生活音が大きいことに悩まされていました。足音はドスドス、扉はバン! と勢いよく閉める。何度「静かにしてほしい」と伝えてもなかなか改善されず、そのたびに息子は起きて泣き出してしまいます。
やっと訪れた休息の時間が一瞬で崩れるたび、私は疲れと悲しさでいっぱいになっていきました。
限界の末の入院、そして訪れた転機
そんな生活が続いたある日、私はついに過労で倒れてしまい、そのまま数日間入院することになりました。幸い息子は離乳食も進んでいたため、夫と義母に任せて療養に専念することに。入院して3日目の朝、夫と義母、そして息子がお見舞いに来てくれました。
しかし病室に入ってきた義母は、明らかに怒っている様子。夫はその後ろで小さくなっています。状況が分からず戸惑っていると、義母は開口一番「今まで本当に大変だったでしょう!」と声をかけてくれました。
義母の雷が落ちた日
話を聞くと、夫の生活音の大きさにより、そのたびに息子が泣いて起きてしまう状況を、義母自身がこの数日で体感したとのことでした。何度注意しても改善されず、ついにその日の朝、義母の怒りが爆発したそうです。
「あんたがこんな甲斐性なしだから奥さんが過労で入院するのよ! 恥を知りなさい!」と病室でも容赦ないお説教。しかもここは大部屋です。夫は「自分なりに静かにしているつもりだった」と言い訳をしましたが、「自分なりにって、周りがその変化に気づくくらいじゃないと意味ないでしょ」と一蹴されていました。
そして義母は「このバカ息子は教育し直しておくから、あなたはゆっくり休みなさいね」と優しく言ってくれました。その言葉に、張り詰めていた気持ちが一気にほどけ、思わず涙がこぼれました。
その姿を見て義母は、「こんなになるまで追い詰めて……あんたってやつは!」と夫の頭をスパーン! 私は思わず吹き出してしまいました。
少しずつ変わる日常と、頼れる存在
退院後、夫は以前よりも静かに過ごすことを意識するようになった様子でした。完璧とはいかないものの、以前よりは確実に変化が見られるように。とはいえ、時折うっかり大きな音を立ててしまうこともあります。
そんな時は「お義母さんに相談するね」と伝えると、すぐに静かになるのです。そんな姿が少しおかしく、今では、前よりも楽しく育児ができるようになりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:タカダ ミオ
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

