「パートは気楽でいいよね」と見下す若手社員
私が働くスーパーに、ある時一人の若手社員が配属されてきました。彼は「正社員」という肩書きにプライドを持っているのか、ベテラン揃いの私たちに対し、常に鼻につく態度をとっていました。
「パートのおばさんたちは、責任がなくて気楽でいいよな〜。これ、本当は俺の仕事だけど、暇でしょ? やっといてよ」そんなふうに自分の面倒な事務作業や雑用を当たり前のように押し付けてくるのです。私たちは店舗を円滑に回すため、モヤモヤしながらも彼の分までカバーし続けていました。
発注ミスを丸投げし、休憩へ行く無責任さ
ある日のこと、彼が大きな発注ミスをし、特定の商品が大量に余ってしまうという事態が起きました。しかし彼は全く悪びれる様子もなく、パートリーダーであるベテランさん(50代女性)に向かってこう言い放ったのです。
「これ、パートさんたちで適当に売り捌いといて。俺、疲れたから休憩行くんで」責任を持って対処すべき自分のミスまでも、まるでお手伝いさんに頼むような口調で丸投げし、彼はさっさとバックヤードへ消えていきました。
ベテランの一喝と、決死の「完全ストライキ」
この無責任な言動に、ついにベテランさんの堪忍袋の緒が切れました。 「私たちはあなたの部下じゃない。契約外の社員の不始末まで、もうお世話はしません!」
ベテランさんの呼びかけで、私を含めたパート全員が結束。彼から押し付けられていた「本来は社員がやるべき業務」を一切やらない、完全なストライキを決行することにしたのです。数時間後、彼の担当エリアは品出しも発注作業も滞り、売り場は大パニックに陥りました。
店長の一喝と、真っ赤になった若手社員
そこに、異変に気づいた店長(40代男性)が飛んできました。店長は防犯カメラの映像やこれまでの業務履歴を確認し、その若手社員を売り場に呼び出して全員の前で一喝。
「お前、いい加減にしろ! 普段サボっていても仕事が回っていたのは、パートさんたちが無償でカバーしてくれていたからだぞ! 自分の責任も果たせないなら、社員を名乗るな!」
いつも見下していた相手に支えられていた事実を突きつけられ、若手社員は顔を真っ赤にして、震えながら立ち尽くしていました。翌日から彼は、それまでの横柄な態度を一変させ、私たちに平身低頭で教えを乞うようになりました。
現場を支える人たちの誇りを守れた、忘れられない出来事です。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

