3年間続いたお局の洗礼
「あなた、またミスしたの?」先輩の野村さん(仮名)は入社10年以上のベテランお局社員。新人が来るたびに「洗礼」を浴びせることで知られていました。私が入社したときも、最初の1週間から始まりました。
「そういう人だから」でスルーされる日々
「また遅い。前の子はもっと早かったけど」「これ、普通は自分で判断できることでしょ」他人との比較、自分の固定観念の押し付け。周りの先輩たちは見て見ぬふりで、「野村さんはああいう人だから」という空気でした。
入社1年目の後半、私は勇気を出して当時の課長に相談しました。「野村さんの言動について聞いてほしいです」と、これまでの具体的な事例を挙げて話しました。課長はうなずきながら聞いていました。
でも、最後には「まぁ、野村さんも悪気があるわけじゃないんだよね。ああいう人だから……うまくやっていけるといいね」と言われ、絶望。「ああいう人だから」という言葉は、被害を受けている側には何の解決にもなりません。
新しい上司が着任し、全員と個別面談
入社2年目の秋、課長が交代しました。新任の片岡課長(仮名)は、着任初日から各メンバーと個別に面談を実施。私は少し迷いながらも、野村さんのことを話しました。
片岡課長は相槌は打つものの、最後に「具体的に話してくれてありがとう。確認します」と言うだけでした。新しく来た人に言っても仕方なかったかな、と話したことを少し後悔しました。
ですが、しばらくして野村さんの態度が明らかに変わってきました。片岡課長が野村さんに個別で話をしてくれたのです。
安心して仕事ができることの大切さ
「特定のスタッフに対して否定的な発言を繰り返すことは、ハラスメントになりえます。次に同様の報告が上がった場合は、正式に会社へ報告します」と伝えたそうです。
野村さんはそれ以来、私への態度が別人のように変わりました。「ああいう人だから」で2年間放置されたことが、片岡課長の言葉により10日で変わったのです。
「見てくれている人がいる」という安心感だけで、仕事を続ける力が全然違うと知った出来事でした。
【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:M.Mochizuki
大学卒業後、薬剤師として勤務。第二子の出産をきっかけに、ファイナンシャルプランナーやオンライン秘書などにも転身。それらの経験を経て、出会った人間模様や教訓を記事として執筆中。特に、夫婦関係や子育て、家族の在り方をテーマに生活者のリアルに寄り添うコラムを得意とする。

