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産後間もない頃、慣れない育児に追われる中で、ありがたいはずの“気遣い”が少しだけ負担に感じてしまうこともあります。今回は、そんな繊細な関係の中で、夫のひと言が角を立てずに状況を変えてくれた、筆者自身のエピソードをご紹介します。

善意だからこそ言いにくい“ありがたい負担”

初めての出産を終えたばかりの頃、義母は孫フィーバーで頻繁に家を訪れていました。料理が得意な義母が持ってきてくれるおかずはとても助かっていたのですが、一方で泥付きの無農薬野菜もよく差し入れてくれていました。

身体を気遣ってくれているのは十分伝わるものの、問題はその下処理。特に白菜やキャベツ、ブロッコリーなどは、葉をめくると虫の卵がびっしりついていたり、ナメクジが潜んでいたりと、ひとつひとつ確認しながらの作業が必要でした。ブロッコリーを水につければ青虫が次々と浮いてくることもあり、そのたびに気が重くなっていたのです。

余裕のない育児とオーガニックすぎる野菜

当時は、抱っこから下ろすとすぐに泣いてしまう乳児との生活。自分の時間はほとんどなく、キッチンに立つ余裕も限られていました。それでも冷蔵庫には、早く処理しなければいけない野菜たち。

「せっかくもらったんだから使わなきゃ」と思う一方で、その手間を考えるとため息が出てしまうことも少なくありませんでした。ありがたい気持ちと負担の間で、複雑な思いを抱えていたのです。

夫の“何気ないひと言”が空気を変える

そんなある日、子どもが少し成長した頃に家族で義実家を訪れました。お腹を空かせた子どもが「何か食べたい」と言うと、義母は畑で採れたばかりの野菜で味噌汁を作ろうと準備を始めます。

しかし、野菜は泥付きで下処理からスタート。待てない年頃の子どもはどんどん不機嫌になり、ついには泣き出してしまいました。その様子を見て、夫がぽつりとひと言。

「無農薬の野菜って安心でおいしいけど、処理に時間かかるよね。働いてるとなおさら、そんな時間ないよなぁ」と、誰に向けるでもなくつぶやいたのです。

気づきがもたらした、やさしい変化

その言葉を聞いた瞬間、義母は何かに気づいたような表情を見せました。実は義母はこれまで自分の親と同居しており、子育て中も常に誰かの手を借りられる環境だったのです。そのため、時間をかけて料理をすることが当たり前にできていました。

一方で、私たちは共働きで頼れる家族も近くにいない生活。状況の違いに、ようやく思い至ったのだと思います。それ以来、義母は泥付きの野菜を持ってくることはなくなり、その代わりにすぐ食べられるおかずをたくさん用意してくれるようになりました。

無理に伝えなくても自然と気持ちが通じたことに、心からほっとした出来事でした。

【体験者:20代・女性販売員、回答時期:2016年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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