息子のおやつの量
私には4歳の息子・ひろと(仮名)がいます。自宅から義実家が近く、息子だけで遊びに行ってそのまま預かってもらうこともありました。食事についてはアレルギーもなく、基本的には義母にお任せしています。ただ、おやつの量だけは、あまりあげすぎないようにお願いしていました。
というのも、私は日頃から息子と『アイスは1日1個までね』と約束していたからです。まだ小さいからこそ、普段の食事のバランスは大切にしたいし、決めたことはきちんと守っていきたいと思っています。
義実家へ迎えに行くと……
そんなある日、義実家へ迎えに行くと、息子が嬉しそうに駆け寄ってきて言いました。「今日、アイス2つもらったんだ〜!」自慢げな様子に、私は思わず言葉に詰まってしまいました。その横で義父母は、少し気まずそうにしながらも笑っています。
「うちに来たときくらいはいいでしょ?」「我慢させすぎもよくないわよ〜」そう言われてしまい、私は苦笑いするしかありませんでした。預かってもらっている立場でもあり、強く言うことはできなかったのです。
変わらなかった約束
帰宅してから、私は改めて息子に伝えました。「アイスは1日1個のお約束だよ」すると息子は「うん」と素直に頷き、それからもその約束を守って過ごしていました。その様子を見ながら、私は少しほっとしていたのを覚えています。
そしてしばらくして、今度は家族みんなで義実家を訪れたときのことです。義父母がまた、食後にアイスを用意してくれていました。ひとつ食べ終わると、満足そうに「ごちそうさま〜」と手を合わせる息子。
すると義母がやさしく、「もうひとつ食べたら?」「ね、ばあばの家では特別!」と声をかけたのです。
義母の誘いに、息子のひとこと
すると息子は少し考えてから、はっきりとこう言いました。「ううん、アイスは1個までなんだ〜」「特別はなし! だってママとお約束してるから!」
その言葉に義父母はきょとんとしたあと、「そっかぁ」と笑いました。それからは無理に勧めることもなく、息子の言葉をそのまま受け止めてくれたようでした。
義父母は、かわいい孫を甘やかしたいという気持ちだったのだと思います。でも、周りがどれだけ優しく「いいよ」と言ってくれても、自分で決めたことを守ろうとした息子。その姿に、ちょっぴり頼もしさを感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

