SNSとの距離感
私はSNSをやっているものの、あまり頻繁に投稿する方ではありません。日常の出来事は写真に残すこともありますが、それをわざわざ発信することは少ないタイプです。
一方で、家族ぐるみで付き合いのあるママ友・愛さん(仮名)は、日常やお出かけの様子をこまめに投稿するタイプでした。どこに行った、何を食べた、子どもたちの様子など、楽しそうな投稿がよく流れてきます。
友人からの何気ない一言
ある週末、その愛さん一家と一緒に遊ぶことになりました。食事をしながら、自然と最近の出来事の話になり、愛さんは先日の旅行の話を楽しそうにしていました。写真を見せながら「ここすごく良くてさ〜!」と盛り上がっていたのですが……
その流れでふと私に向かってこう言ったのです。「千春さんのとこって、旅行とか行かないよね? 写真全然載せないし」「もっとお出かけしないと、子どもたち退屈じゃない? 可哀想だよ〜!」
その言葉に、私は少し戸惑いました。実際には旅行や遠出はそれなりにしています。ただ、私はそれをSNSに載せていないだけでした。
場を和ませた夫たちの言葉
どう説明しようかと言葉を選んでいると、隣にいた私の夫が明るい調子でこう言いました。「うちは写真撮るより、遊ぶのに夢中なんですよ〜」「スマホ出したら、子どもに怒られるくらいで!(笑)」その言い方は軽くて、場の空気を壊さないものでした。
すると今度は、愛さんの夫が笑いながら「あ〜。うちは妻も子どもも、写真撮るの好きだからなぁ」と続けました。どちらかを否定するわけではなく、ただ『それぞれのスタイル』として受け止めているような言い方でした。
楽しみ方は人それぞれ
夫たちの言葉を聞いて、私の中で引っかかっていた気持ちが和らぎました。愛さんも少し気まずそうな顔をしつつ、「そうなんだ〜。子ども連れてるとなかなか撮れないこともあるか」と納得した様子でした。
SNSに見えているものが、その人のすべてとは限らない。そして、楽しみ方もそれぞれ違っていいのだと思えました。あのときの何気ない会話は、自分のスタイルはそのままでいいのだと改めて感じさせてくれた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

