お土産の「きれいな石」から始まった異変
私の息子が修学旅行から帰ってきた日のことです。「はい! お土産!」と嬉しそうに手渡してくれたのは、丸くてきれいな石でした。神社で見つけたものらしく、「ママにあげたくて」と持ち帰ってきたそうです。
私も深く考えず受け取り、そのまま日常が続いていきました。ところが数日後、息子が熱を出し、そこから体調不良の日々が始まります。
原因不明の発熱と、信じがたい出来事
最初は風邪かと思われた発熱でしたが、検査をしても原因は分からず、微熱と高熱を繰り返す状態が2週間近く続きました。ようやく落ち着いたかと思いきや、学校で再び発熱し、迎えに行くことに。その際、保健の先生から思いがけない話を聞いたのです。
「息子さん、とても大きな声で唸っていて……まるで牙をむいた獣のような表情をしていたんです……」普段から誇張をしない先生の言葉に、不安が一気に押し寄せました。
帰宅後、息子に話を聞くと、「なんだか体がすっごく重くて……頭が痛くて……。それに、すごく怖い夢を見てたんだ」と。
どんな夢なのかを聞いてみると「あたり一面赤黒くてすごく真っ暗で。そこに何かの動物が居たんだよ……」「猫? 犬?……とはちょっと違ったかも。耳がもっと大きくて」「そいつがとっても怒ってて、僕は逃げようとするんだけど、足が石みたいに重くて動かなくて……それで……」息子は恐ろしさで体を震わせ泣きながら、夢の話を教えてくれました。
思い出した“あの石”と神社への決意
その話を聞いた瞬間、私の頭に浮かんだのは、あの“石”のことでした。どこで拾ったのか尋ねると、「たしか稲荷神社」との答え。幼い頃、「神社のものは持ち帰ってはいけない」と教えられていた記憶がよみがえります。
もしかすると、あの石が関係しているのでは……そう感じた私は、学校に連絡して神社の場所を確認し、石を返しに行くことを決意しました。
石を返した先で感じた変化
後日、私はひとりで神社へ向かいました。しかし近づくにつれ、体が石のように重くなっていきます。それでもなんとか鳥居をくぐり、その場でしゃがみ込みながら何度も謝罪の言葉を口にし石を返しました。
すると、ふっと体が軽くなり、まるで何かがほどけたような感覚に包まれます。「石を持ち出した息子は熱があって連れて来れませんでしたが、必ず息子も連れて謝罪しにきます」と伝えた瞬間、強い風が吹き抜けました。
その帰り道、夫から「息子の熱が下がった」と連絡が入りました。私は胸がいっぱいになりながら、何度も感謝の気持ちを心の中で繰り返しました。
後日、約束通り息子と一緒に神社を訪れ、改めて謝罪とお礼を伝えました。不思議で恐ろしい体験ではありますが、目に見えないものへの敬意や感謝の大切さを、改めて感じさせてくれた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

