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言葉には直接相手を嫌な気持ちにさせる嫌味や、本来の意味とは別の意味を込めて人を嫌な気持ちにさせる皮肉など、色々な使い方があります。本人は軽い気持ちで使っているのかもしれませんが、改めて言葉の意味を考えてみると……今回は、友人の職場でのエピソードをご紹介します。

嫌味な上司

私の部署には、仕事はできるものの言葉の選び方に難がある上司Aがいます。Aは「あなたのためを思って言っている」や「良い意味で」と前置きしながら、結局は嫌味を投げかけてくるのです。

最初は我慢していましたが、毎日のように繰り返されると心がすり減るような感覚が蓄積されていきました。

海外出身の後輩

そんな職場に、海外出身ながら日本語が非常に堪能な同僚Rがいます。Rは日本の大学に留学経験があり、尊敬語、謙譲語なども流暢に使いこなします。正しい文法を使う彼女は、日本人である私より“日本語が上手”と感じることも。

ただし「それな」や「ホス狂い」といったスラングには疎く、ドラマや漫画で初めて知った言葉を職場で質問しては「どこで覚えてきたの?」と皆を笑わせてくれます。Rの存在は、部署の空気を柔らかくしてくれる貴重な潤滑油でした。

素朴な質問

ある日の昼休み、Rがいつものように新しい日本語について質問した後、「スラングではないのですが、聞いてもいいですか?」と切り出しました。もちろん! と皆が耳を傾けると、Rは「『良い意味で』ってどういう意味ですか? 直訳は分かるのですが、別のニュアンスがありますか?」と問いかけたのです。

誰も明確に答えられず戸惑っていると、Rは続けて「Aさんはよく『良い意味で』と言ってから意地悪なことを言いますが、どういう意味なのでしょうか?」と本人に直撃しました。

突然の質問にAは顔を曇らせ、「勉強不足ね! 外国人なんだからちゃんと日本語くらい勉強しなさいよ」と冷たく返したのです。

言葉の力

その場にいた部長がすぐさま「Aさん、今の発言はコンプライアンス違反ですよ」と指摘し、昼休み後に部長室へ来るよう命じました。Aは厳重注意を受け、それ以降「良い意味で」という嫌味を口にすることはなくなりました。Rの素朴な疑問が、職場の空気を変えるきっかけとなったのです。

私自身も、言葉の使い方一つで人を傷つけたり救ったりできるのだと改めて実感しました。無理に難しい言葉を使う必要はありませんが、相手にとって不快になる言葉遣いだけは避けたいものです。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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