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母乳が出ないことで悩んだ経験のある、私の友人・夏希さん(仮名)。ミルクで育てることに納得していましたが、ママ友からの「やっぱり母乳が一番」の言葉には胸がざわつきました。しかし、その場にいた別のママ友の言葉が、空気を変えてくれたのです。

児童館でよく会う3人

私はママ友の綾香さん(仮名)と美央さん(仮名)と、児童館でよく顔を合わせます。3人とも0歳の赤ちゃんを育てていて、自然と育児の話で盛り上がることが多く、ちょっとした悩みや出来事を話せる関係でした。

ただ、ひとつ違いがありました。私は子どもをミルクで育てていて、綾香さんと美央さんは完全母乳だったのです。その違いを、普段はあまり意識していないつもりでした。

ママ友から、何気ないひとこと

ある日、いつものように3人で話していたときのことです。綾香さんが赤ちゃんを抱っこしながら、こんなふうに言いました。「やっぱり母乳がいちばん安心だよね!」「まあ、母乳のほうが体力もいるし色々と大変なんだけどね〜」

何気ない言い方でしたが、その言葉が私の胸に少し引っかかりました。というのも、私は出産後、母乳が思うように出なくて悩んだ時期があったからです。助産師さんに相談したり、いろいろ試したりもしましたが、上手くいかず最終的にミルク中心で育てることに決めました。

今は納得しているつもりでも、あの言葉を聞いたとき(やっぱり母乳のほうがいいのかな……)と胸がチクッとしました。ミルクを選んだ自分が、どこか否定されたように感じてしまったのです。

経験からの言葉

そのとき、一緒に話を聞いていた美央さんが、さらっとこう言いました。「私、上の子のときは全然母乳出なくてミルクだったんだよね」私は思わず、「え、そうなの?」と聞き返しました。すると美央さんは笑いながら続けました。

「うん。今回の出産はたまたま母乳が出たんだけどね」「どっちでも元気に育つし、やっぱりどっちも大変なところはあるよ〜」その言い方は、とても自然でした。どちらかを持ち上げるわけでも否定するわけでもなく、両方の立場を経験したからこその言葉です。

美央さんの話を聞いた綾香さんも「そうなんだね〜。確かに、元気ならそれが一番だよね」と、少しやわらかい口調で言いました。

私のほどけた気持ち

そのあとは、自然と別の話に移っていきました。さっきまで少しだけ張りつめていた空気も、いつもの穏やかな雰囲気に戻っていました。私の中に残っていた小さな引っかかりも、気づけばすっとほどけていた気がします。

育児のやり方はいろいろありますが、どちらが上でどちらが下というものではないのだと思います。美央さんのさりげない言葉のおかげで、改めてそう思えた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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