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インターネット環境が普及したこの時代。すぐに情報が手に入って便利な半面、正しい情報を見極める力も試されている気がします。今回は、調剤薬局で働く私の、現代ならではの忘れられない体験談を紹介します。

手続きのための書類

調剤薬局で、園田さん(仮名・20代女性)という方の処方せんを受け付けました。聞けば、労災扱いになる予定とのこと。園田さんの場合、手続きに必要なA書類(仮)を提出してもらう必要がありました。

そこで書類の説明に入ろうとしたのですが「あ、大丈夫です!」と、キッパリ断られてしまいました。「以前にも労災の経験があるのかな?」と思うほどに迷いのない返事でした。少しひっかかりを感じつつ、その日の対応を終えました。

これじゃないんです

数日後、園田さんは書類を持って再来局されました。しかし封筒に入っていたのは、申請に必要のないB書類(仮)。本来なら勤務先が記入する欄もあるのですが、そこも空欄のままでした。

「書類が違うようなのですが……」と伝えると、彼女は「いや、これで合っていると思いますよ」と自信たっぷりのお返事。「もしかして、私の認識が違う?」と焦りながら、すぐに調べ直しました。

自力で調べてくれたらしい

結果から言えば、園田さんの請求に必要なのは、やはりA書類でした。その事実を園田さんにお伝えすると、彼女は焦った様子で「えっ、嘘でしょ? ちゃんと書いてありましたよ?」と言いながらスマホを取り出し、そのまま画面を見せてくれました。

そこには、妙に親しみやすそうな文面が並んでいます。何の画面か分かりませんでしたが、その正体は彼女の言葉で明らかとなりました。「AIに聞いたら、『B書類』って教えてくれたんですけど」

話を聞くと、園田さんは手続きに関する情報をすべてAIで調べ、その通りに用意をしたそうです。「なんで情報が違うんですか」と言われても、私は答えに詰まるばかり。電話で確認したことや公的資料を一緒に見てもらうことで、なんとか再提出へのご理解をいただきました。

お気軽に聞いてください

AIは確かに便利な道具で、私たちの生活をこれからも変えていくのでしょう。しかし、情報が必ずしも正しいとは限りません。「画面の情報だけでなく、現場の人間も頼ってほしい」と、ちょっぴり切なくなった出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

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