爽やかな好青年の隣人
以前住んでいたマンションでの出来事です。隣人の岡野さん(仮名・30代男性)は一人暮らしの会社員。引っ越し後わざわざ挨拶に来てくれ、第一印象から感じの良い人でした。
それ以降も会うたびに「おはようございます!」と元気に声をかけてくれます。私と一緒にいる子ども達にも目を合わせて「おはよう」と声をかけてくれる、常識的なイメージ。
子どもについて「部屋でうるさかったらすみません」と伝えると、「全然! うるさいなんて思ったことないです。お子さんは元気なのが一番ですよ」と笑顔で返してくれる人です。
真夜中の絶叫
そして季節は夏。寝るときに窓を開ける日が増えた頃です。ある夜の1時ごろ、隣の部屋から突然大きな声が。聞こうとしなくても耳に入ってくるボリュームです。
「ぶっ殺すぞ!!」「行け行け行け!! 撃て撃て!!」「ふざけんな!」。物騒な言葉が続き、最初は寝ぼけながら「え?! トラブル?喧嘩?」と不安になります。あの爽やかな岡野さんの部屋から聞こえていると思うと、余計に状況が理解できません。
どうやら“戦場”にいるらしい
しばらく耳を澄ましていると、キャラクターのセリフのような声や、ゲームらしき効果音も聞こえてきました。どうやら戦場系のシューティングゲームか格闘ゲームをプレイしている様子。
状況が分かると少し安心したものの、昼間の穏やかな姿とのギャップには思わず苦笑してしまいました。その後も週末になると、同じような声が夜中に聞こえてくることがありました。
人の印象は一面では分からない
昼間の岡野さんは、相変わらず爽やかな好青年。会えば必ず挨拶をしてくれ、子どもたちにも優しく声をかけてくれます。しかし夜になると、どうやらゲームの世界で戦場を駆け回る兵士になっているよう。
人というのは見えている一部分だけでは分からないものだと妙に納得。少しだけ驚きつつ、なんだか人間らしい一面を見たような気がした出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2020年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

