感動の卒園式と写真撮影タイム
長男が3年通った幼稚園の卒園式を迎えました。先生方からのご挨拶や、みんなで歌う最後の園歌。園内は感動ムードに包まれ、涙ぐむ保護者の姿も少なくありません。
式が終わると、クラスごとの写真撮影タイムへ。各クラス和気あいあいと並び、「みんな大きくなったね」「入園式で集合写真を撮ったのが懐かしいね」と思い出話に花が咲きます。
いよいよ長男のクラスの順番が回ってきました。
義母、当然のように“どセンター”確保
そのとき颯爽と現れたのが義母でした。「ほら、真ん中がいいわよね」と言いながら、当然のように孫の隣を確保。私はそのまま端へスライド。夫は「まぁまぁ」と曖昧な笑顔を浮かべるだけで、まったく戦力になりません。
「『お子さんとご両親での撮影』って言われましたよね……」とやんわり伝えても、「私おばあちゃん代表だから」と謎の理論で動きません。周囲の保護者たちもなんとなく空気を察し、少しざわつき始めました。
主役ポジションをめぐる静かな攻防
シャッターのタイミングになると、義母はぐいっと前に出て主役ポジションをキープ。私の笑顔は引きつっていたと思います。周囲の保護者も状況を察しているようで、なんとも言えない空気が流れます。
他の保護者の皆さんに対しても申し訳なく思い、居心地の悪さを感じました。それでも義母は動く気配がなく、写真撮影はそのまま終わるかと思われました。
園長先生の一言でセンター奪還
その時、園長先生がマイクを持ちます。「本日の主役はお子さんと、そのお父様お母様です。祖父母の皆さまは後列で温かく見守ってくださいね」。穏やかな口調でしたが、的を射た正論。
周囲の視線にも気づいた義母は、ゆっくり後ろへ下がり、私は無事息子の横へ立つことができました。撮れた一枚には、息子の隣で自然に笑う私たち夫妻と、後列で少し不満げな義母の姿も写っていました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

