いつも聞かれる「どこ行ってたの?」
近所に住むママ友の美紀さん(仮名)は、なにかと私の行動を気にしているような感じがします。「今日お昼ごろ車なかったね! どこか行ってたの?」「日曜日ずっと車あったけど、引きこもってたの?」と、会うたびに聞いてくるのです。
最初はただの世間話だと思っていました。でも、あまりに何度も言われると、だんだん落ち着かない気持ちになってきます。(なんで見られてるの……? 私の行動、そんなに気になる?)なんだか監視されているような気分になって、少し居心地が悪いのです。
なにか聞かれる前に……
とはいえ、「見ないで」と言うような話でもありません。どうしたものかと考えて、私はひとつ思いついたことを試してみることにしました。『聞かれる前に、自分から言ってしまおう』と。
次に美紀さんに会ったとき、私はにこにこしながら、「昨日はずっと引きこもってたんだ〜!」「朝は洗濯して、昼は録画したドラマ見て、夕飯は唐揚げ!」と、自分からかなり具体的に話してみました。
さらに別の日には、「明日は11時から美容室の予定! だから車ないよ〜!」と先に宣言。そんなことをしばらく続けてみたのです。
少しずつ変わった空気
最初は美紀さんも「へぇ〜」と笑って聞いていました。でもそれが何度か続くと、反応が少しずつ「あぁ、うん。そうなんだ……」という苦笑いに変わっていったのです。
そして、いつの間にか「車なかったね」も「ずっと家にいたの?」も言われなくなりました。自分が車のあるなしまで気にして見ていたことが、少し距離感が近すぎたと気づいたのかもしれません。
言い返したわけではないけれど
私は何かを言い返したわけではありません。ただ、自分の生活を『大公開』しただけです。でもそれだけで、ずっと感じていた『見られている感じ』の居心地の悪さはなくなりました。
今は近所で美紀さんと顔を合わせても、変に身構えることはありません。ちょっとした工夫で、自分の気持ちが楽になることもあるのだと分かった出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

