週末の大きな公園で
ある週末、3歳の娘を連れて、遊具がたくさんある大きな公園へ出かけました。天気もよく、広場には家族連れが集まっていてにぎやかな雰囲気です。娘は公園に着くなり、お気に入りのすべり台へ一直線。何度も来ている場所なので、慣れた様子で走って行きます。
私は少し後ろからついて行きながら、今日も思いきり遊べそうだなと、なんとなくうれしい気持ちで見ていました。
階段を塞ぐママと子どもたち
ところが、すべり台の階段の途中に、まだよちよち歩きの小さな子が2人立っていました。明らかに遊具の対象年齢ではなさそうで、そばにはママたちもいます。他にもすべり台をしたそうな子がいる中、なかなか階段から退かず、ママたちはおしゃべりに夢中。娘は階段の前で困ったように立ち止まっていました。
私は「すみません、階段上ってもいいですか……?」と声をかけました。そのママたちは「あ、は〜い」と一瞬退いてくれましたが、娘がすべり終わって戻ってくる頃には、また同じ場所で階段遊び。再び「すみません……」の繰り返しです。
そのやりとりが何度も続き、娘も少し遊びにくそうです。私は(他の遊具に移動したほうがいいかな……)と考え始めていました。
思いがけない『読み上げ』
そのとき、近くで遊んでいた5歳くらいの男の子が、遊具の看板を見上げて大きな声で言いました。「3と6って書いてあるよ!」「3〜6さいって書いてある! 読めたよ〜!」
その子のパパも、自然な調子で「ほんとだね。3歳から6歳の子が遊ぶ場所って書いてるんだよ〜」
と返しています。それが聞こえたのか、ママたちはサッと子ども2人を連れて別の場所へ移動していきました。
みんなが気持ちよく遊ぶために
自分では強く言えなかったことを、無邪気な男の子の声が偶然にもさらっと伝えてくれた形になりました。娘はそのあと何度もすべり台を楽しみ、満足そうに笑っていました。
公園はいろんな年齢の人たちが集まる場所です。でも、みんなが気持ちよく安全に遊ぶためのルールは、やっぱり大切だと感じました。あの日は、小さな『読み上げ係』に助けられ、ちょっとほっこりした出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

