再会早々のチクチク感
筆者の実体験です。結婚と出産を経て参加した同窓会で、ちひろちゃん(仮名)と15年ぶりに再会しました。懐かしさもあり、穏やかな再会になるはずでしたが、なぜか会話の節々に小さな棘を感じます。冗談とも嫌味とも取れる言い回しに、「私、何かしたっけ?」と首をかしげるばかりでした。
原因はすっかり忘れ去っていた過去
あまりにも気になり、恐る恐る理由を探ると、話題は高校時代へ。そこで出てきたのが、すっかり忘れていた、1つ上の先輩たちの卒業式の出来事でした。
当時、1学年上には「学年の象徴」のようなアイドル的先輩男子が5人おり、女子たちにはそれぞれ推しがいて、放課後に部活を見に行ったり、バレンタインに行列を作っていました。
生徒手帳の大逆転
私はその中でも特に人気だった佐藤先輩(仮名)のファンでした。卒業式の日、どうしても何か形に残るものが欲しくて必死に並びましたが、順番が来た頃には制服のボタン類はすべて配布終了。
それでも「なんでもいいのでください!」と食い下がった結果、想定外に生徒手帳をもらい、大はしゃぎしたのです。その直後、後ろにいたちひろちゃんは「何もない」と断られ握手だけで終わっていました。
卒業できない感情
その瞬間の出来事は、私の中では卒業とともに消えていました。しかしちひろちゃんは違ったようです。「あれのせいで私は握手だけだった」「ずるいよね」と、現在進行形のような感情として持ち出したのでした。
過去の一瞬が、何年経ってもトラブルの材料になることがあります。その正体は、今の問題ではなく、青春時代の“納得できなかった記憶”なのかもしれません。推しに関する恨みは、意外と長期保存でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2020年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

