イヤイヤ期 × 七五三
七五三を目前にして、私の心配事はただひとつ。それは、当日の次男の機嫌です。まだ3歳になったばかりの彼は、イヤイヤ期の真っただ中。機嫌の良し悪しがコロコロ変わるお年頃です。
天使のように笑ったかと思えば、ゲリラ雷雨並みに突然怒り出すことも。当日の機嫌については、イチかバチか祈るしかありませんでした。
ご機嫌ナナメの次男
そうして迎えた当日。ハイテンションな長男とは対照的に、次男はイヤイヤMAXの不機嫌モード。スタジオスタッフも家族も、あの手この手で笑顔を引き出そうと必死でした。
しかし次男は「そんな技など効かぬ」とでも言わんばかりに、眉間にシワを寄せたまま。撮影が終わるまで、その姿勢を崩すことはありませんでした。
開き直る保護者
撮影後は全員で、もうぐったり。たくさん撮ってもらったのに、次男の笑顔写真はほとんどなし。私たち夫婦の映る姿にも、疲れがにじんでいました。
けれど、そんな写真たちを見ているうちに、なぜか笑いがこみあげてきたのです。「あそこまでガンコを貫くの、逆にすごくない?」「『俺の笑顔は安くない』ってことかな(笑)」夫婦でそんなことを言い合い、もはや次男の意思の固さに脱帽しました。
いっそ長男は満面のスマイル、次男はイヤイヤ全開のアルバムにしてしまおう。そんなふうに写真選びの基準を方向転換したら、ものすごく気が楽になりました。
家族の笑える思い出
あれから数年。我が家の玄関には、くしゃくしゃな笑顔の長男と、眼光鋭い次男の七五三写真が並んでいます。2人の表情の落差が激しく、見るたびに思い出し笑いをすることも。今ではすっかり落ち着いた次男にこの話をすると、彼はちょっとだけ気恥ずかしそうな表情を浮かべます。
ハプニングも、過ぎてしまえば家族の笑える思い出になる。これもまた、我が家らしい七五三でした。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2023年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

