イヤイヤ期と向き合う毎日
私たち夫婦には、2歳の息子がいます。夫は仕事が忙しく、息子が眠ってから帰宅し、息子が起きる前に出勤していく日がほとんどです。夫が毎日頑張っていることは分かっているし、家族のために働いてくれていることにも感謝しています。
ただ、イヤイヤ期まっただ中の息子と朝から晩まで向き合う毎日は、正直しんどいと感じることもありました。思い通りにいかないことがあると、床に寝転んで泣き叫ぶ。外出先でも突然スイッチが入ることがあり、そのたびに周りの目を気にしながらなだめる。そんな一日を終える頃には、私の方がぐったりしていることも少なくありません。
共感してほしかったのに
ある夜、思わず夫に「最近イヤイヤがひどくて困っちゃう……。今日も癇癪起こしちゃってね」と愚痴をこぼしました。すると夫は、少し笑いながら「一緒にいられるだけで幸せじゃん!」「俺なんてなかなか遊べないしさ〜」と返してきました。
たしかに、そう思う気持ちも分かります。でも、そのときの私は「大変だったね」と言ってもらえるだけで十分でした。夫の言葉は何も間違っていないはずなのに、少しだけ置いていかれたような感覚が残りました。
夫と息子、ふたりきりの一日
そんな中、ある週末に私は友人の結婚式へ出席することになりました。その間、夫と息子はふたりでお留守番です。夫は「ゆっくり楽しんできてよ!」と快く送り出してくれました。
久しぶりに友人たちとにぎやかな時間を過ごして帰宅すると、家の中は思っていた以上に散らかっていました。リビングにはおもちゃが広がり、キッチンのシンクには使った食器がそのまま。息子はすでに眠っていて、夫はソファにぐったりと座っています。
散らかった部屋が教えてくれたこと
私の顔を見るなり、夫は「丸一日だけで、こんなに大変なんて……」「ごめん、全然片付けとかできてない」と苦笑いしました。
その姿を見たとき、不思議と怒る気持ちは湧きませんでした。むしろ、たった一日でも息子と向き合った夫の頑張りが伝わってきて、胸の奥が少し温かくなりました。これまで私が感じていたしんどさやうまく言葉にできなかった寂しさが、ようやく夫と共有できたように思えたのです。
「育児は大変だ」という実感を夫婦で同じように持てたことで、気持ちがスッと軽くなった出来事でした。
【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

