学生時代心を込めて、夜遅くまで頑張って作ったバレンタインチョコ。しかしそれを渡すことができなかったほろ苦い経験がある方もいるかもしれません。今回の友人・ゆかり(仮名)のエピソードは、学生時代に渡せなかった手作りチョコの行方です。
高校時代の恋
私は高校生の頃、憧れの先輩に片思いをしていました。バレンタインの日に告白を決意し、手作りチョコを準備したものの、結局渡す勇気が出ず渡せずじまい。そのチョコを捨てることも、自分で食べることもできず、冷蔵庫に保管したまま時が流れていったのです。
衝撃の電話
高校時代の思い出もすっかり記憶の片隅に追いやられていたある日、実家の母から突然の電話が。母は「チョコ、〇〇君に渡しといたから」と言うのです。〇〇君とはまさに高校時代の片思いの相手。驚いて「どういうこと?!」と聞くと、母は説明してくれました。
冷蔵庫が壊れて整理していたら「〇〇君へ」と書かれた手作りチョコが出てきたと。ちょうどそこへ、郵便局員になった〇〇君が郵便物を届けに現れたので、捨てるくらいなら、と「昔、ゆかりが手作りしたチョコなんだけど、気持ちだけでも受け取ってやってくれる? もちろんチョコは捨ててくれて構わないから」と言って渡したというのです。
混乱と恥ずかしさ
私は「そんな15年前のチョコを本人に渡したの?! 気持ち悪がられるに決まってるじゃん!」と怒りと恥ずかしさが入り混じった感情で母を責めてしまいました。母は「そんなつもりじゃなかった、ごめんね」としおらしく謝り、私も「混乱して責めちゃった、ごめん」と返し、釈然としないまま電話は終了。
彼の連絡先を知らない私は、謝ることもできず、ただこの出来事が地元に広まらないことを祈ることしかできません。
15年後のチョコの行方
ところが数日後、知らない番号からショートメッセージが届いたのです。送り主は〇〇君。「チョコありがとう。お礼がしたい」と書かれていました。からかわれているのかと思いながらやり取りを続けると、真剣に連絡してくれたことが分かりました。
彼は「チョコをもらってからずっと君のことを考えていた」と言い、母に連絡先を聞いて私に連絡してくれたのです。お互い独身だったこともあり、ほどなくして交際が始まり、結婚へとつながりました。ちなみに、あのチョコは食べる勇気がなかったそうです(笑)
冷蔵庫の故障がきっかけで渡すことのできた15年越しの手作りチョコ。そこに込められていた昔の気持ちが、今につながる縁を呼び寄せたのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

