誰しもが通る“思春期”。親が鬱陶しく感じてしまう期間でも、家族のイベントは暦通りやってきます。今回ご紹介するのは、私のお客様が、思春期の娘と共に過ごしたバレンタインのエピソードです。無口な娘がとった行動とは……
反抗期に突入した娘
去年のバレンタインを前に、反抗期に入った娘。夫への贈り物はもうしないのかなと思いつつ、「パパへのバレンタインどうする?」と尋ねると、「ホワイトデーのお返しが欲しいから、ママあげておいて」との返答。
昔は一緒に手作りしていたのになあ、と少し寂しさを覚えながら、夫の好みに合いそうなものを購入しました。
バレンタイン当日
バレンタイン当日。久々に早く帰宅した夫に「私と娘から」と渡すと、夫は「ありがとう」と笑顔でラッピングを開け始めます。すると娘が突然それを奪い、「あげちゃだめ!」と取り上げたのです。あまりの速さに驚きを隠せない夫と私と弟たち。
そんな中、「これにして、余ったから!」と、自分のお小遣いで買ったらしいチョコを夫に渡す娘。夫は戸惑いながらも満面の笑みで受け取り、娘は「これはママが全部食べて!」と強い口調で言いながら夫へのプレゼントを私の腕に無理やり押し付けます。
恥ずかしさを隠すためなのか、贈り物が気に入らなかったのか、なにが起こったのか分からぬまま、その年のバレンタインは終わりました。
一年越しの真実
今年に入り、反抗期が落ち着いた娘にふと去年のことを尋ねると、驚きの真相を教えてくれました。「ママ、パパにグミ買ったでしょ? グミって渡した相手と別れちゃうんだって! 学校のみんなが言ってた!」と。どうやら学校で「グミを渡すと別れる」というジンクスが流行っていたようです。
反抗期であっても、生意気であっても、親の別れを必死に阻止しようとしてくれた娘の気持ちを思うと、一層愛おしく感じずにはいられませんでした。
子供らしさと思春期
「パパはグミが大好きだから、ママ、よくあげてるけど別れてないでしょ?」と私が言うと、「そういえばそうだね」と娘はストン、と腑に落ちた様子。大人になったように見えても、まだまだ子どもらしい一面を持っているのだと実感しました。ちなみにホワイトデーはグミを渡しても別れないそうです。
反抗期の態度に振り回されながらも、娘の行動の裏には家族を思う優しさが隠れていました。ジンクスを信じて両親の仲を守ろうとした娘の姿は、幼さと成長が入り混じるあの時ならではの輝きだったのだと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

