愛犬家の義実家
私の義実家は、決して悪い人たちではありません。ただ、衛生観念や生活の常識が、私の一家とは絶妙にかみ合っていませんでした。義両親は大の愛犬家で、犬は完全に家族扱い。
一方で、私と二人の息子は揃って犬アレルギーを持っていました。この事実は義両親も把握しており、体調を崩したことも一度や二度ではありませんでした。
義実家の当たり前の日常
ある日、長男の小学校入学の祝いを持って義両親が遊びに来ることになりました。短時間ならと受け入れたものの、当日現れた義両親の腕には二匹の愛犬が抱えられていました。義父母だけの訪問だと思い込んでいたのでびっくり。
さらに、ためらいなく犬を家に放たれ、犬たちはリードもなく自由に走り回ります。義実家にとっては自然で微笑ましい光景でも、私と息子たちにとっては大変な状況でした。
生活の違いが生み出すアレルギー反応
アレルギーのことや掃除の大変さを伝えても、「家族だから大丈夫」「少し鼻水が出るくらいでしょ」と軽く受け取られてしまいます。泊まりで義実家を訪れた際も、タオルや布団には犬の毛が付着し、人と犬の境界線はありませんでした。
愛犬家にとっては当たり前の生活環境でも、結果的に子どもたちは目のかゆみや鼻水に悩まされ、帰省は楽しい時間ではなく耐える時間に変わっていきました。
線を引く決断
「おばあちゃんちに行くと目がかゆい。もう来たくない」。子どもたちの言葉で、私の迷いは消えました。義実家の日常を否定したいわけではありません。ただ、それが自分と子どもにとっては大きな負担だったのです。
その後、義両親も理解を示し、犬を連れて来ることはなくなりました。大切にするものが違うからこそ、守るための線引きが必要だったのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

