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日々高騰し続ける物価。少しでも出費を抑えられたら嬉しいですよね。しかし節約もエスカレートしすぎると取り返しのつかないことになることも……。今回は友人が遭遇した、節約したいあまりに、脅迫にまで発展してしまったエピソードをご紹介します。

ちょっとした善意で

私はかつて美容師として働いていましたが、出産を機に退職し現在は専業主婦。ある冬の日、近所の友人から「娘の成人式の着付けがどこも予約できなくて困っている」と相談を受けます。

着付けの免許も持っている私は、少しでも力になれるならと無償で着付けを引き受けました。純粋に助けたい一心での行動です。

噂を聞きつけて

ところが、後日、その話を聞きつけた近所の中年女性Aさんが「美容師なら私の髪も切ってよ」と言い出したのです。私は長く現場を離れていること、ひとりに応じると次々に依頼が広がる可能性があることから丁寧にお断りしました。

しかし引き下がらず、ついには「成人式の着付けはやったくせに! 税務署に通報してやろうか!」と怒鳴り散らすAさん。もちろん私は無償で行っており、誤解からくる言いがかりでしたが、あまりのしつこさに疲弊し、どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。

“お任せ”ならば

そこで私は「金銭は受け取っていませんし、通報されても問題ありません。でも、そこまで言うなら髪型を私に任せてくださるなら切ります。道具はそちらでご用意くださいね」と伝えました。

迎えた当日、Aさんが持ってきたのは100円ショップの前髪用ハサミと、頭の部分に穴を開けたゴミ袋。私は「では始めますね」とだけ告げ、淡々と作業を進めました。数分後、仕上げたのは“おかっぱ頭”です。

静かな日常に戻る

「なによ、これ!」と怒りをあらわにするAさんに、私は「お任せいただいたので、一番お似合いになる形にしました」とだけ伝え、感想を聞く前に即帰宅。それ以来、“無料で髪を切れ”という要求は一切なくなり、おとなしくなったAさん。

まさか善意で引き受けたことが、それを他人に乱用され、脅迫までされるとは思ってもいませんでした。善意はもちろん素晴らしいものですが、それを乱用されないために、一定の距離感を持つことは必要だな、と実感した出来事です。

【体験者:50代・主婦、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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