“先輩ガチャ”大当たりなスタート
私は、新卒で入社した会社の営業部署に配属されました。教育係の先輩・木内さん(仮名・30代男性)は体育会系でキビキビしたタイプ。担当先に同行して丁寧に仕事を教えてくれたり、悩みを相談すれば親身に乗ってくれたりととても親切な先輩でした。
私は「いい先輩がついてくれてラッキーだな」と感謝しながら一緒に働いていました。
少しずつ変わっていく指導内容
最初の指導は「ここはこうしたほうが相手に伝わりやすいよ」「ここは改善したほうがいいね」といった業務上の助言でした。
しかし、だんだんと指摘の内容が変化。「スカートが短すぎる」「アイシャドウをもっと薄くしたほうがいい」など身なりに関するものが増えるように。私は次第に、その指摘に違和感を覚えるようになりました。
我慢の限界を超えた要求
新卒という立場上、指導の方向性がズレてきても強く言い返せず「社会人としての身だしなみを教えてくれているのかも」と自分に言い聞かせながら我慢する日々。
しかし、指摘はプライベートにも及び、土日の予定を報告させられたり、遂には「なにかあった時のために」と一人暮らしの部屋の合鍵を渡すよう指示してくるまでに。ここで私は限界を迎え、信頼できる上司に相談を決意しました。
相談がもたらした職場の変化
上司は事態を重く受け止め、木内さんに即座に指導。「業務以外での後輩への指示は不要です」と明確に伝えられたことで、木内さんの行動はそれ以降ぴたりと止まりました。
新卒だった私は当初「これが普通なのか」と思い込み、周囲に相談できずに苦しんでいました。しかし、勇気を出して第三者に相談したことで職場環境は一気に改善し、安心して働けるようになりました。この経験を通して、困ったときに第三者を介入させる大切さを強く実感したのです。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

