児童館での小さな癒し時間
娘が1歳になって少し歩けるようになってから、私はよく児童館に足を運ぶようになりました。家にいるだけだと、どうしても気分が沈んでしまったり、孤独を感じる瞬間があるのです。児童館は、そんな私にとってちょっとした息抜きができる場所。他のママさんと何気ない会話をするだけでも、気持ちがすっと軽くなる時間でした。
自然に始まった、楽しいひととき
その日出会ったのは、遥さん(仮名)という若いママ。20代前半くらいの、爽やかでなんだか見ているだけで明るくなる、かわいらしい雰囲気の人でした。
ちょうど娘同士が同じ遊びの輪に入り、そのまま一緒におままごとを始めたので、私たちも横でおしゃべりをしながら子どもたちを見守る流れに。育児のあれこれを話しているうちに、なんだか初対面とは思えないほど盛り上がっていました。
思わずテンションが上がった
そんな時、遥さんがふと私にこう言ったんです。「年齢、同じくらいかな?」その瞬間私は、(え!? 私ってそんなに若く見える!? うそ、嬉しい!!) と舞い上がりました。どう見ても20代の若い遥さんにそう言われて、一気にテンションが上がります。
私は照れながら「いやいや! 私もう30代半ばなのよ〜! 遥さんはまだ20代でしょ?」と返しました。それを聞いた遥さんは一瞬ピタッと固まり、キョトンとした表情に。そして数秒後、ようやく意味が繋がったように「あ……子どもたちの年齢、同じくらいかなって意味でした!」と優しく教えてくれました。
その瞬間、私の全身が一気に熱くなるのを感じました。(しまった〜! 完全に、言わんでいいこと言った〜!)恥ずかしすぎて心の中で頭を抱えながら、なんとか笑ってごまかしました。
恥ずかしくて悶絶、でも笑える思い出に
けれど遥さんは、そんな私を見てニコッと笑い、「でも奈々さん、若く見えますよ!」とさらっとフォローしてくれました。またしても私は「もうやめて〜!」と心の中で転げ回る羽目に。
それ以来、児童館で遥さんに会うたびに、あの日の赤面エピソードが頭をよぎって思わず笑ってしまいます。今ではすっかり仲良くなり、この出来事は友人たちにも自虐気味に話す“鉄板のネタ”に。恥ずかしかったけれど、あの勘違いのおかげで遥さんとの距離が縮まった気がします。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

