年末恒例、“ガッツリ義実家帰省”
結婚してからというもの、我が家の年末年始は毎年、義実家で4〜5泊コースの帰省が定番でした。義父母はとても優しく、料理もたっぷり振る舞ってくれるし、歓迎してくれているのも十分わかっています。
それでもやっぱり、自分の実家とは全然違います。どれだけ良くしてもらっていても、気を張る場面が多いのは正直なところで、大型連休なのに心が休まらないのが密かな悩みでした。
ささやかな抵抗、夫には全然届かない
そのたびに私は、さりげなく夫へ提案していました。「せめて2泊とか短めにしない? お義母さんたちも大変だろうし……」ところが夫は毎回、全く悪気なく「え〜? みんな喜んでるよ! 年末年始くらい集まらなきゃ!」と言うばかり。
“全員が元気いっぱい集まりたい前提”で話してきて、私の気持ちはまったく伝わりません。義実家が嫌なわけではないけれど、長期滞在は正直しんどい。でも夫を前にすると、なんとなく言いにくくて、結局いつもガッツリ帰省の流れに乗っていました。
義母からの連絡で、まさかの真実発覚
そんなある日のこと。年末が近づいた晩、夫のスマホに義母からメッセージが入りました。「他の子どもたちにも言ってるんだけど、今年の帰省は、もう少し短くしてくれない?」さらに続けて、「私たちもね、たまにはダラダラ寝正月したいのよ〜(笑)」
夫は画面を見ながら「えっ……そうだったの?」と絶句。私は思わず心の中でガッツポーズ。そして同時に、お義母さん、めちゃくちゃ分かる……と深い親近感が湧きました。義母だって、疲れるし、休みたいし、たまにはゴロゴロしたい。その気持ちに触れた瞬間、なんだかホッとしたのを覚えています。
帰省短縮決定! 義実家が好きになった瞬間
その年の帰省は、義母の提案で“ゆるめの2泊”に決定。心の負担もぐっと軽くなりました。義実家ではいつも通り温かく迎えてもらい、でも長すぎない滞在なので気持ちにも余裕があります。帰宅後は、久しぶりに自宅でのんびり“寝正月”も満喫できました。
今回、義母の本音を知れたことで私はますます義実家が好きになりました。「もしかして、夫よりお義母さんのほうが私の気持ちを分かってくれるかも?」と、私にとっては小さな救いになった出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

