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これは先日体調を崩した私に起きた実体験です。高熱の時、夢か現実か分からない夢を見たことはないでしょうか。私は今までそのような体験をしたことがなかったのですが、アラフォーの今、初めて体験しました。

謎の高熱とワンオペ

数週間、原因不明の高熱が続いていました。熱は38度前後をうろうろし、のどの痛みや関節のだるさもあり、ほぼ寝たきりの状態。夫は長期出張中。3人の子どもを抱えてのワンオペ生活で3週間ほど経過した頃、ようやく夫が帰宅。

すると今度は2歳の次男も発熱。週末だったこともあり、夫が次男を連れて休日診療をしている大きな病院へ向かうことになりました。

カギの音と車の気配

次男と夫が病院の間、私は寝室で横になっていました。すると玄関の方から、鍵穴にカギを入れたり抜いたりする音が聞こえてきたのです。これは最近の次男のブーム。鍵穴に傷がつくからやめるように言わなきゃな、と思いつつ、体が重くて動けません。

今度は、駐車場で車がバックする音が。我が家は玄関のすぐ前が駐車スペースで、忘れ物のときなどは軽くバックして停めることもあります。

「忘れ物でもしたのかも」と思った瞬間、背筋が凍りました。もし次男が玄関先にいたまま、夫が気づかず車をバックさせていたら――。その想像だけで血の気が引き、私は反射的に飛び起き、玄関へ。

誰もいない玄関

しかし、そこには誰もいなかったのです。夫の車も、次男の姿も見えず、防犯カメラにも何も映っていません。2階で遊んでいた長女と長男に聞いても、「そんな音しなかったよ」と言われ、私は不安になり夫に電話をかけました。

「忘れ物でも取りに来た?」と尋ねると、「ずっと病院の待合室にいるよ」との返事。次男の様子を聞くと、夫は一瞬黙り、「いない」と答えました。時差ぼけと睡眠不足で待合室でうとうとしてしまい、隣にいたはずの次男がいなくなっていたのです。

急いで玄関ホールへ

私は「車に轢かれたかも! 外を見て!」と叫び、夫は慌てて玄関ホールへ。そこには、警備員に抱きかかえられた次男がいました。大きな病院なので出入口には常に警備の方がいて、ひとりで外へ出ようとする次男を優しく抱っこしてくれていたのです。

「事件性を感じたらすぐに通報します。でも、見るからに幸せそうな子だったから、きっとすぐに親御さんが来ると思って。この子が来たのはほんの数分前ですよ」と教えてくださいました。

数分前、鍵穴の音と車の気配を感じて飛び起きた私。あれは夢だったのか、警告だったのか。もし警備の方がいなければ、次男は駐車場で迷子になっていたかもしれない。轢かれていた可能性も。改めて、一瞬でも目を離すことの怖さを痛感しました。

そして今も、我が家の鍵穴には、いつついたのかわからない小さな傷が残っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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