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今年も流行っているインフルエンザ。私も先日発熱で動けず、さらにタイミングが悪く、夫は長期出張中。両親も遠方に住んでいて、頼れる人がいない中、母に支援物資を送ってもらいました。ところがその中には、母も入れた覚えのない“あるもの”が入っていて……。

高熱とワンオペ

数週間、原因不明の体調不良が続いていました。熱はずっと38度前後をうろうろし、何度検査してもコロナもインフルも陰性。そんな中、私は3人の子どもを抱えてのワンオペ生活。夫は長期出張中で、両親も遠方に住んでいるため頼れず、毎日が必死そのもの。

最初は小学生の長女が母親代わりを頑張ってくれていたのですが、幼稚園児とイヤイヤ期真っ只中の弟たちの世話に疲れ、ついに泣き出してしまいました。

母の優しい速達便

身も心も限界を感じた私は、母に「何か送ってほしい」と連絡。すると翌日には速達で大きな段ボールが届き、子どもたちは歓喜。長女がまるでYouTuberのように、ひとつずつ中身を解説してくれました。

大量のレトルト食品に子供たちが好きなキャラクターのお菓子。私の好きなゼリーや栄養ドリンクまで入っていて、聞いているだけで涙があふれてきました。母のやさしさが、段ボールいっぱいに詰まっていたのです。

懐かしい風呂敷包み

「これだけ開かない!」と娘が言うので、「はさみで切っていいよ」と伝えると、「切っていいのかなこれ?」と小さな包みを寝室に持ってきました。それは、祖母がよく使っていた風呂敷の包み方でした。

懐かしさが一気にこみあげてきて、固結びをそっと開けてみると、中には私が小学生の頃に使っていた卵型のゲーム機、当時流行していた小型ゲーム機と大量のソフトが入っていたのです。しかも電池まで交換されていて、すぐに夢中になって遊び始める子供たち。

うちにはまだゲーム機がなかったので、昔のものであっても大興奮。外出もできずにいた子どもたちにとって、まさに宝箱のような贈り物でした。

包んだのは誰?

すぐに母に「ありがとう」と伝えると、「風呂敷なんて入れてないよ」と言われました。父に聞いても「知らない」とのこと。

あの包み方は、祖母がよく使っていたもの。もしかしたら、天国にいる祖母が、ひ孫たちのために送ってくれたのかもしれない。そう思うと、怖さはまったくなく、ただただ感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

両親にも、祖母にも、あの瞬間のあたたかさをありがとうと伝えたい。そんな不思議で優しい出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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