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“ネットで予約した金額と、実際の会計の金額が異なった”という経験は誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。トラブルを未然に防ぐために、施術前に料金説明があるお店も多いかと思います。今回は、ネイルサロンで働く友人のエピソードです。

ご新規のお客様

ネイルサロンで働いている私のもとに、ある日新規のお客様が来店されました。予約時に「ソフトジェルのオフが無料になるクーポン」を選択されていたので、施術前に爪の状態を確認したところ、どう見てもそれはソフトではなくハードジェル。

ハードジェルはオフに時間も技術も必要で、1,000円の追加料金がかかることを丁寧に説明。すると「これはソフトです! 無料でお願いします!」と強く言い張られ、困惑してしまいました。

自分でオフするお客様

念のため別のスタッフにも確認してもらいましたが、やはりハードジェルとの判断。再度有料になる旨をお伝えすると、「じゃあ自分でオフします!」と突然、爪を剥がし始めたのです。かなり時間が経っていたネイルだったようで、数本は自力で剥がせたものの、10本すべては無理だった様子。

すると「途中までやったんだから、半額の500円でオフして!」と要求。申し訳ないのですが、それはできかねるとお伝えすると、さらに声を荒げて半額を主張され、店内の空気が一気に変わりました。

巡回中の警備員

私の勤務先は大型商業施設内にあり、店舗は半個室。店先から店内の様子が見える構造になっています。お客様の大声に気づいた巡回中の警備員が、「どうかされましたか?」と声をかけてくれました。

警備員の「通報しますか?」という言葉に、お客様の態度は一変。スマホを取り出し、着信があったふりをして「急用ができたので失礼します!」と足早に店を後にされました。あまりに急な展開に、私もスタッフも、お客様たちも一瞬呆気にとられてしまいました。

伝えたかった事

その後、私はスタッフと先ほどの席を掃除をしながら「本当は、無理にオフすると爪が薄くなって、今後の施術にも影響が出るってことをちゃんと伝えたかったんだけどね」と苦笑しました。

ネイルは見た目の美しさだけでなく、爪の健康があってこそ楽しめるもの。お客様の希望に寄り添うことは大切ですが、プロとして守るべきラインもあります。あの日の出来事は、私にとって「伝える勇気」と「守る責任」の両方を改めて考えさせてくれる経験となりました。そしてセルフオフされたお客様も、健康な爪でネイルを楽しんでいることを陰ながら願っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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