「同郷のママ友」だと思っていた
幼稚園に通い始めた娘をきっかけに、私はUちゃん親子と仲良くなりました。他県に嫁ぎ土地勘のない私にとって、同郷というつながりは特別嬉しく、年が離れていてもすぐに距離が縮まりました。
ただ、Uちゃんの育児方針は「完全放置」。「娘って年齢の割にしっかりしてるから大丈夫〜」と笑っていたものの、Uちゃんが気付いていないだけで実際は周囲に迷惑をかけていることも多く、気になる点は増えていきました。それでも、慣れない土地でできた数少ない友達だったため、私は距離を置けずにいました。
見えないところで深まっていた「子ども同士のズレ」
しばらくすると、Uちゃんの娘は大人の前では良い子なのに、誰も見ていないところで特定の子に悪口を言ったり意地悪をしたりするようになりました。
そしてある日、娘が突然「幼稚園に行きたくない」と泣き出したのです。理由を聞けば、Uちゃんの娘に「私としか遊んじゃダメ!」と束縛され、従ううちに「もう遊んであげない」と突き放され孤立してしまったとのこと。
私は悩みながらも、なるべく角の立たない言い方でUちゃんに状況を伝えましたが、全く響くことはなく……。会えば挨拶はするけど、私たちはなんとなく疎遠になっていきました。
3人目の出産
娘が年長になった頃、私は3人目の次女を授かりました。私たち夫婦は子供たちの名前を好きな小説家の本のタイトルから取っており、生まれる前から名前は決まっていました。そして次女が生まれ、娘も喜んで幼稚園でみんなの前でその名前を発表したそうです。
同じ時期にUちゃんも次女を妊娠。私はやや疎遠になっていたため直接の連絡は取っていませんでしたが、SNSや共通の友達から言われて近況は知っていました。そしてUちゃんは私の出産から3ヶ月後に出産。出産当日、友達から慌てた声で電話がかかってきました。
「Uちゃん、次女に〇〇ちゃん(私)の3人目と同じ名前をつけたよ!?」私は一瞬、耳を疑いました。3人目の子の名前は、好きな本のタイトルの一部。偶然かぶるものではなかったからです。
「知らなかった」は通らない
その後、人づてに聞いたUちゃんの話に衝撃を受けました。「なぜその名前にしたの?」と聞くと、「娘がこの名前がいいって言ったから」「〇〇ちゃん(私)の子と同じ? へ〜知らなかった」と答えたそうです。
Uちゃんは私のSNSをフォローしており、投稿すると数分以内に必ず閲覧して足跡を残し、「いいね」やコメントなど反応を送ってくれていたのです。さらに、3人目の出産と名前を投稿した際には、「いいね」と「出産おめでとう!」とメッセージを送ってくれていました。知らないはずがないのです。
その事実を思い出した瞬間、背筋がスッと冷えるような感覚に襲われました。「偶然」ではなく、「意図的」。そう確信せざるを得ませんでした。私は急に怖くなり、そっとUちゃんのフォローを外しました。
【体験者:20代・女性販売員、回答時期:2020年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

