子どもの授業参観日
小学生の息子の授業参観は、私にとっても毎回楽しみな日でした。けれどその日、息子はキョロキョロと落ち着かず、目が合うたびに私に手を振ってきます。「もう、うちの子落ち着きないな〜(笑)」と、隣のママ友に小声で話しかけ、苦笑い。そのときは、ごく何気ないやり取りのつもりでした。
知らないママから、まさかの誤解!?
授業が終わって帰ろうとしていたとき、廊下で見知らぬママに呼び止められました。そして開口一番、「あの、うちの子の悪口言ってましたよね!?」と強い口調で言われてびっくり。
「えっ、私ですか!? なんのことでしょう……?」と戸惑う私に、「隣の人に話してましたよね? 何か言いたいことがあるなら、直接言ってもらえますか!?」とさらにヒートアップ。
私は慌てて、「誤解させてしまってすみません。でも、あれは私の息子のことを話していたんです」と説明しました。しかし、相手は納得しないままぶつぶつ言いながら去って行ってしまいました。
モヤモヤと距離感
私は確かに参観中におしゃべりしていたのはよくなかったと反省しつつも、「悪口なんて言っていないのに……」とショック。こちらの話を聞こうとしない相手の態度にも、正直モヤモヤと腹立たしさが残りました。その後も同じ学年で顔を合わせることはありましたが、できるだけ関わらないようにしていました。
2年後の“予想外の再会”
それから2年後、学校の役員でまさかの再会! しかも同じ担当になってしまいました。気まずく感じていたところ、そのママの方から「以前はすみません。自分の子のことで悩んでいて、過敏になってたみたいで……」と声をかけてくれました。
私は驚きつつも、「いえいえ、私も参観中に話していたのはダメだったなって……」と返すと、相手もホッとした表情に。役員活動を通して何度も話すうちに打ち解け、今では「そんなこともあったね」と笑える仲になりました。
当時はモヤモヤが大きく距離を置いてしまいましたが、時間が経って落ち着いたことで、関係が修復できたのは救いでした。ちょっとしたことで誤解が生まれてしまうこともあるけど、時間が経てばほどけることもあるんだなと感じた出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

