これは、私の職場で出会った派遣社員の女性の話です。彼女はいつも笑顔で仕事も完璧、誰からも信頼される存在でした。そんな彼女には、2年に1度、“ある異変”が……。打ち明け話を聞いたとき、背筋がぞっとしたのを覚えています。
完璧な派遣社員との出会い
私の職場に、30代前半の派遣社員・美香さん(仮名)がいました。落ち着いた雰囲気で、丁寧な仕事ぶり。上司からも信頼が厚く、社内でも評判の存在でした。
そんなある日、雑談の中で私は思わずたずねました。「美香さん、正社員のオファーが何度もあったと聞きましたけど、どうしてお断りしてるんですか?」
打ち明けられた“2年ごとの痛み”
すると彼女は少し笑って、「実は、2年に1度、寝込むほどの頭痛に襲われるんです」と静かに話してくれました。医者にかかっても原因はわからず、薬も効かない。一度発作が起きると、何日も動けなくなってしまうのだそうです。
「だから、その時期に備えて派遣という形を選んでいるんです」淡々と語るその声には、覚悟のような強さがありました。
家族にも起きる“奇妙な周期”
さらに驚いたのは、その頭痛が「ほぼ正確に2年ごと」にやってくるということ。しかも、彼女の兄弟も同じ時期に同じような頭痛に苦しむのだそうです。「実家の仏壇の火が、その頃によく消えるんですよ」と彼女は笑って言いました。でも、その目の奥には、どこか“本気”の色がありました。
医者にも説明できない、家族ぐるみの周期的な痛み。それを聞いた瞬間、ただの体の不調とは思えない何かを感じました。
この秋、再びその時がきた
そしてこの秋。私が彼女と出会ってからちょうど1年半が過ぎたころ、彼女は長期休暇に入りました。会社に連絡をくれた美香さんの言葉が、今も忘れられません。
「痛すぎて、頭を壁にぶつけて痛みを逃がそうとしているんです」
2年に1度の“その時”が、また訪れたのだと思うと、背筋がぞくっとしました。
医学では説明できない不思議な現象。もしかしたら彼女の言う「周期」には、何か見えない力が関係しているのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

