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物騒な昨今。戸締りをするのはもはや常識です。それでも、ついうっかり忘れてしまったり、気がゆるんでしまったりすることも。今回ご紹介するのは、窓を開けっぱなしにしていた友人の身に起きた出来事です。

始めての節約生活

私は大学進学を機に上京し、一人暮らしを始めました。電気代を少しでも節約したくて、夜はできるだけ冷房を使わず、窓を開けてしのぐ毎日。

私が住んでいたのは学生街で下着泥棒が多いと噂されていて、友人達からは「ちゃんと戸締りしなよ!」と何度も注意されました。でも私は「ドアには鍵をかけてるし、5階だから大丈夫だよ」と、窓だけは開けたまま眠っていました。

真夜中の黒い影

ある夜、酔っぱらって帰宅した私は、バッグを適当に放り出してベッドに倒れ込みました。しばらくして、体の上に重みを感じて目が覚めます。目の前には黒い影。ガザガザとバッグの中を漁っているようでした。

「ああ、窓を開けていたから強盗が入ったんだ。みんなの忠告を聞いておけばよかった。これから襲われるんだ」と、一瞬で頭の中は恐怖でいっぱい。身動きもできず、ただ布団の中で固まるばかりでした。

影の正体

やがて目が慣れてきて、黒い影の正体がはっきりしてきます。影は強盗ではなく、なんとカラス。窓から入ってきたその鳥は、バッグに入っていたコンビニ弁当やキッチンの食べ物を器用についばんでいるのです。

正体がわかってもどうすることもできず、私は震えながら布団にくるまり、ただ時間が過ぎるのを待つしかありませんでした。

恐怖と感心

しばらくすると満足したのか、窓から外へ飛び去っていったカラス。恐る恐る部屋の電気をつけると、床には食べ物の残骸。けれど、私自身は全くの無傷。思ったより部屋も荒らされておらず、カラスの器用さと頭の良さに、少し感心してしまうほどでした。

友人からの忠告を軽んじずに窓を閉めていれば……それ以来、私はドアだけでなく、窓の戸締りも必ず確認してから寝ています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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