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病院を受診すると発行される、処方せん。何気なく目にしていても、細かく中身を確認したことがある人はなかなかいないのではないでしょうか。今回は、私が調剤薬局で働き始めてから知った「処方せんあるある」を紹介します。

処方せんは情報の山

私は調剤薬局で事務員として働いています。患者さんから受け取る処方せんには、お薬内容のほか、保険請求に欠かせない大切な情報がいくつも載っています。正しくお薬を渡すためには、氏名・生年月日・保険番号・発行元の病院や医師名などの情報を、正確かつスピーディーにパソコン処理していく作業が欠かせません。

どこの処方せんでも受け付けます

ある日、若い女性の新規患者さんがやってきました。彼女の名前は佐倉さん(仮名)。処方せん情報から、年齢は19歳だとわかります。佐倉さんが持ってきた処方せんは、普段はあまり見ない形式。どうやら隣町にある病院から発行されたもののようでした。

見逃せない不備、発見

処方せんと入力画面を見比べながら、ひとつずつ確認作業を行います。すると、ある項目で手が止まりました。どうしても見逃せない不備を見つけたからです。
「これは……」と思い、すぐに佐倉さんの元へかけ寄ります。私は彼女に、こう切り出しました。

「大変申し訳ありませんが、こちらの処方せんはお受けできません。2日前に期限が切れてしまっているようです」

処方せんには有効期限がある

実は、処方せんの有効期限は「発行日を含めて4日以内」と法律で決まっています。日曜と祝日も含まれるため、連休前などは特に注意が必要なのです。

佐倉さんはご存じなかったようで、目をぱちくりさせていました。医師による期限延長の記載も見当たらなかったため、心苦しくも処方せんは返却。処方元に再発行を求めるよう促しました。

二度手間を防ぐために

処方せんは、有効期限が過ぎた瞬間に効力を失い、ただの紙切れになってしまいます。そして、薬がなくて困るのは、他ならぬ患者さん自身。

もちろん、人それぞれ事情があるのは承知しています。それでもやはり、病院を受診したら処方せんはすぐに薬局へ。この流れこそが、患者さんにも医療機関にも一番都合がいいのではないかと感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

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