“幽霊は存在するのか”これは永遠のテーマのひとつではないでしょうか。同時に“霊感がある”ことも真実なのか証明するのは難しいもの。今回は自称・霊感持ちの女性と働くことになった、スーパーに勤務する友人の実体験をご紹介します。
怪奇現象の始まり
私が勤務するスーパーに、ある日「霊感がある」と自称する女性が同僚として入ってきました。最初は誰も本気にしていなかったのですが、彼女と休憩室で過ごす時間に限って、テレビが突然ついたり消えたり、非通知の電話が鳴ったりするなど、妙な現象が続いたのです。職場は「本当に何かあるのかも」と、半信半疑ながらも少しざわつき始めていました。
霊障のせい?
その女性は、上司に注意されたり、お客様からクレームを受けたりすると、「あの人には悪霊が憑いているからね」と周囲に話していました。休憩時間の世間話でも「それは悪霊のせいね」「悪霊が原因で不仲なんだわ」などと口にしていました。
熱湯事件
ある日、同僚が手を洗おうとしたところ、いつもは冷水しか出ない水道から突然70度の熱湯が流れ出し、軽いやけどを負いました。彼女は「私のせいでまた霊障が……」とつぶやいていましたが、私たちはすぐに店長へ報告。
店長は「原因を明らかにする必要があります。誤って温度を変えた方は名乗り出てください」と呼びかけましたが、誰も反応しませんでした。
霊障の真実
彼女が「私のせいで霊障が」と言いかけた瞬間、店長は遮るように「だれも名乗り出ないのなら、警察に連絡します」と告げました。その言葉に慌てた彼女は、「私がやりました」と自白。今までのテレビの件も、実は自宅の同じ型のリモコンを持ち込んで操作していたことが判明しました。非通知電話も自作自演で、周囲の関心を引きたくて水道の温度まで調整していたそうです。
警察沙汰にはならなかったものの、彼女は厳重注意を受け、しばらくして自主退職。それ以降、怪奇現象は一切起こらず、職場には穏やかな日常が戻りました。どうやら悪霊は、最初から来ていなかったようです。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

