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営業の部署で働いていた頃、激務の中で自信を失っていた私。異動が決まったものの、不安を感じるばかりでした。そんなときに開いてもらった送別会でもらった寄せ書きを読むと、信じられない言葉が並んでいて……。

激務に追われる毎日

営業部署にいた頃の私は、毎月100時間を超える残業が当たり前でした。平日はお昼ごはんを食べる時間もほぼなし。土日はゴルフ接待や顧客イベントへの参加で、プライベートなどありません。

休む間もなく仕事に追われるうちに、「私はこの会社で何がしたかったんだっけ」「なんでこの仕事を選んだんだろう」と自問する日が増え、前向きな気持ちを保てなくなっていました。

自信を失いかけた異動の知らせ

そんな生活を4年ほど続けた頃、ようやく異動の辞令が出ました。けれど最初に感じたのは安堵ではなく不安。「今の部署でも成果を出せていないのに、別の部署でやっていけるのか」という焦りが押し寄せました。

送別会を開いてもらっても、どこか心の底では「自分は盛大に送り出してもらえるほど大したことをしていない」と気が引けていました。

同僚の言葉に救われた夜

帰宅後、送別会でもらったメンバーからの寄せ書きを読んでいると、「資料の作り方がわかりやすくてこっそり真似していました」と書かれていて、胸が熱くなりました。パートさん達からの「私たちと社員の懸け橋になってくれて助かった」という言葉にも驚きました。

さらに「どんなに忙しくても、質問したら絶対に笑顔で答えてくれて支えられました」という後輩の言葉に思わず涙が出ました。自分ではただ必死にこなしていただけなのに、そんな姿を見てくれていた人がいた――その事実が心に染みました。

気づいた“できていること”の価値

その夜、私は「自分はまだまだ」と勝手に線を引いていたことに気づきました。目立たなくても、誰かの役に立てる。あの夜以来、私は「自分を過小評価しなくていいんだ」と思えるようになりました。

できないことばかりに目を向けず、たとえ小さなことでも、それを日々を丁寧に積み重ねていけばきっと誰かの力になれる――そう信じられるようになったのです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2017年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

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